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「トイレットペーパーの包装」が“うまく開けられない”悩みを解消。メーカーに聞く「きれいに開ける方法」

シングルとダブル、それぞれの特徴は?

せっかくの機会だから、トイレットペーパーについて気になっていたことをほかにも聞いておこう。 まず、種類。ダブルとシングルがあるが、それぞれどのようにできたものなのか。 「歴史を紐解くと、巻き取り(ロール)形状のトイレットペーパーができたのは19世紀に遡りますが、当時はシングルの商品しかなくダブルは存在していませんでした。ダブルが作られたのは1942年のことです。肌により負担の少ない商品の発売にあたり、新しい技術が取り入れられることになったためと言われています。それ以来、柔らかさ、厚み、吸水力といったダブルならではの機能性が支持されるようになりました」 トイレットペーパーの歴史を知ると、ダブルの方が優勢であるように感じるが、現在でもドラッグストアやスーパーの店頭にはダブルとシングルが両方陳列されている。それは、シングルにもニーズがあるということに他ならない。 森脇氏は「1回に使用する長さが同じだった場合、シングルは1ロールあたりの長さが長いので、ダブルよりも経済的に使用できる可能性があります」としながらも、同社の調査結果を次のように話す。 「ダブルはやわらかいだけでなく、吸水性も高いのが特長です。そのため、1回あたりの使用量がシングルよりも少なくなります。弊社の調査では、1ロールを使い切るまでの期間はシングルでもダブルでもほぼ変わらないという結果が出ています」

シャワートイレ専用ペーパーも登場

特に意識することなく日常的に使い消費をしているトイレットペーパーだが、話を聞くほどに奥が深いことがわかってきた。構造も役割も極めてシンプルな製品であるゆえに、進化をさせるのは難しいようにも思えるが、大王製紙はトイレットペーパーを次世代に導いた実績がある。 「2001年に、温水洗浄機能付き便座(シャワートイレ)専用の商品を業界で初めて発売しました。今では一般家庭におけるシャワートイレの普及率が80%を超えていますが、従来のトイレットペーパーに『拭き取るときにペーパーが破れる』『ペーパーが肌に貼りついてしまう』『拭き取るときの裏抜けが心配でペーパーをたくさん使ってしまう』といった声をいただいていたんです。それに応える形で、吸水力の高さと水に濡れても破れにくい丈夫さを備えた商品を開発しました」
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「長巻タイプ」の元祖も大王製紙
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Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

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