更新日:2024年12月06日 13:32
恋愛・結婚

「男女4人のドライブ旅行」で自分だけが蚊帳の外に…旅行から帰ったあと「3人とは完全に縁を切った」

同僚が「ネタとして面白くね?」と…

 浦田さんは声をかけようとしたが、言葉を飲み込んだ。 「綾香ちゃんも乗ってきたんです。ふたりはコンビニに買い出しに行くらしかったんですが、すごくフレンドリーな様子で、いつものふたりとは違う雰囲気でした。それで、声を掛けられなかったんですが……ひどく後悔することになりました」  ふたりは浦田さんの胸を抉るような、こんな会話を始めたのだという。 「ねえ、本当に浦田くん、私に渡すプレゼント持ってきたの?」 「ガチで持ってきてる。やっぱり、○○(某ブランド)の香水だって」 「私が欲しいって言ってたら良いけどさ、何も聞かずに香水って微妙すぎでしょ? 香織に話したらドン引きしてたよ」 「でも、蒲田のヤツめちゃくちゃ自信持ってたぞ。絶対よろこぶって」 「こわっ。私のこと分かった気でいられるのガチで無理なんだけど」 「もしかしたら、この旅行中に告られるかも」 「付き合うとかありえないんだけど。告られたら、うちらが付き合っていること言っていい?」 「ダメだって。蒲田と気まずくなる。それに、この状況ネタとして面白くね?」

その後は「記憶がほとんどない」

 ふたりが笑い合う様子を聞いて、蒲田さんの心は冷たくなった。 「自分はその会話を聞きながら、3列目の足元でただ丸くなっていました。ふたりはすごく良い雰囲気で、コンビニについて降りる前には、キスもしていたようでした。もどってきた時に、後部座席のドアを開けられて、隠れているのがバレるのではないかと気が気じゃなかったです。結局、隠れていることはバレなかったんですが、この10分余りの出来事で完全に心が死にましたね」  メンツは敵ばかりだと思うと、その後の旅行は地獄だった。 「その日は飲みの予定があったんですが、断って早々に布団に入りました。でも、朝までほとんど眠れませんでした。良い感じだと思っていた好きな女性と、仲が良いと思っていた同僚を同時に失ったショックが大き過ぎて、その後の旅行のことはほとんど記憶にありません」  3人とは完全に縁を切った。同僚の顔を見るのも苦痛だったため、その後、浦田さんは転職したという。 <TEXT/和泉太郎>
込み入った話や怖い体験談を収集しているサラリーマンライター。趣味はドキュメンタリー番組を観ることと仏像フィギュア集め
1
2
おすすめ記事
ハッシュタグ