エンタメ

「ミヤネ屋」視聴率バトルで「ゴゴスマ」に敗北。かつて主流だった“攻めのMC”は時代遅れなのか

韓国での屋外喫煙で批判にさらされた宮根氏

『ミヤネ屋』のキーパーソンである宮根氏はどうなのかというと、今年は逆風にさらされた。 3月20日、宮根氏は大谷翔平選手が出場したMLB開幕戦「ドジャース-パドレス」を取材するため、韓国入りした。その際、ソウルの屋外喫煙禁止区域内で電子たばこを吸ってしまった。 この姿がカメラに収められ、X(旧ツイッター)に投稿された。それを韓国有力紙『朝鮮日報』のオンライン版なども伝えたため、批判の声が高まった。 くしくも視聴率が首位から滑り落ちた今年上半期が始まる直前のことだった。お気に入りのMCがやっている情報番組を観る視聴者は多いとされるから、宮根氏には痛かった。 宮根氏は翌21日放送の冒頭で謝罪する。 「これから取材姿勢をあらため、初心に戻って頑張りますので、あらためてよろしくお願い致します。どうも申し訳ありませんでした」(宮根氏) ところが、これで一件落着とはならず、SNS上の批判は一向に止まなかった。宮根氏は普段から反感を買っていたようだ。お笑いタレントの有吉弘行(50)からはラジオ番組で「めっちゃダサかった」と、からかわれた。

攻める姿勢、かつては主流だったけど

普段、強気の姿勢で不正などを追求する宮根氏のようなタイプのMCは、自分の不祥事の際はリカバリィが難しい。視聴者の間で「いつも他人のことを責めておいて、自分は何だ」といった感情が起きやすいからだ。 そもそも、番組の持ち味が、時代と逸れてきているのではないかとの見方もある。『ミヤネ屋』が東京に進出した2008年当時は攻める姿勢の情報・報道番組が主流だった。テレビ朝日『朝まで生テレビ!』(BS朝日に移行)、同『サンデープロジェクト』(2010年終了)などである。『ミヤネ屋』もそうだった。 しかし今ではソフトな内容の情報・報道番組が主流になっている。硬派調だったテレ朝『報道ステーション』(平日午後9時54分)も今では政治より先に大谷翔平選手の話題を取り上げる。また、MCの大半はスタジオ内の調和を図るタイプになった。ゲストを挑発したり、コメンテーターと舌戦を繰り広げたりするようなMCはほぼ消えた。
次のページ
言い切らないMCに軍配が上がるワケ
1
2
3
放送コラムニスト/ジャーナリスト 1964年生まれ。スポーツニッポン新聞の文化部専門委員(放送記者クラブ)、「サンデー毎日」編集次長などを経て2019年に独立。放送批評誌「GALAC」前編集委員

記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ