恋愛・結婚

「妻と浮気相手の間に生まれた子」を見捨てられなかった夫の悲哀。養育費を支払う“条件”は離婚翌日に破られ…

離婚を決意したものの、息子との関係をどうするか

優斗さんが鑑定書の写メールを片手に筆者の事務所へ相談しに来たのは、妻から匙を投げられたタイミングでした。優斗さんはどのような判断を下したのでしょうか? 「妻の人間性に失望しました。離婚することには何の抵抗もありません。これ以上、妻に裏切られるのはこりごりなんです」と妻との関係に終止符を打つことを即決したのです。厚生労働省の人口動態統計によると2023年の離婚件数は183,814人。一方、結婚件数は474,741人なので3組に1組は離婚する計算です。そのため、夫婦が離婚すること自体は珍しくはないのですが、優斗さんの場合、離婚とは別の問題を抱えていました。 それは息子さんと「親子」を続けるかどうかです。現在、息子さんの戸籍の父親欄には優斗さんの名前が記載されています。家庭裁判所に嫡出否認の申立をし、優斗さんと息子さんのDNAを鑑定し、科学的に「親子ではない」と判定されれば、父親欄を白紙にすることが可能です(民法774条)。今年4月から法律が改正され、申立の期間が延長されました。具体的には子どもの出生から1年が3年に変更されたのです(民法777条)。

「息子とは別れたくない」からこそ…

息子さんはまだ3歳に達していないので、まだ間に合います。未成年の子がいる場合、夫婦が離婚する際、どちらが子どもを引き取るのか……親権の所在を決めなければなりません(民法818条)。優斗さんの場合、育児をほぼ担っているのは妻。離婚後も妻が息子さんを育てれば、離婚による影響を最小限にとどめることができるでしょう。優斗さんは「息子から母親を奪うなんてできません!」と言います。そのため、息子さんの親権は妻が持つという前提で話が進んでいきました。 それを踏まえた上で筆者が「どうしますか?」と尋ねると、優斗さんは妻のことに対して即断即決だったにもかかわらず、息子さんのこととなると煮え切らない態度をとります。 優斗さんは「息子はとても可愛いです。僕のことをパパと慕ってくれます。だから僕の子なんだと2年間、騙し騙しやってきました」と苦しい胸のうちを吐露します。さらに「今までいろいろなところへ遊びに行きました。たくさんの楽しい思い出があります。だから、妻はともかく息子とは別れたくないのが正直な気持ちです」と続けます。 親権を決めるにあたり、優斗さんは息子さんへの影響を第一に考えていました。そのため、優斗さんは「息子に罪はありません。かわいい息子を傷つけたくはないんです!」と訴えかけます。
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元彼が愛情を持っていれば、今の状況になっていないはず?
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1980年生まれ。国学院大学卒。行政書士・FP。男の離婚に特化し開業。6年目で相談7千件、「離婚サポートnet」会員は6千人を突破。「ノンストップ」(フジテレビ)、「ホンマでっかTV」(フジテレビ)、「市民のミカタ」などに出演。著書は「男のための最強離婚術」(7刷)「男の離婚」(4刷)など11冊。 公式サイト X:@yukihiko55 ブログ:法律でメシを食う若造のブログ Facebook:yukihiko.tsuyuki
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