メンズファッションバイヤー&ブロガーの
MBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第501回をよろしくお願いします。
メンズファッションバイヤーのMB。「『おしゃれに見える』にはちゃんと理由があるんです」が持論(撮影/難波雄史)
アパレル業界関係者が嘆く「圧倒的なコスパ」
無印良品の実験的ライン「MUJI Labo」をご存じでしょうか。既存の無印良品にはない良質素材とトレンドデザインを打ち出し、服好き界隈に高く評価されているライン。
昨今、代官山に大型店舗を構えたりと積極的な提案を続けているMUJI Laboですが、今年のラインナップ……正直エグいです。
私の周りにいるデザイナー・アパレル関係者も「”数の暴力”でこんなアイテムを低単価で展開されちゃ……商売上がったりだ」と皆一様に嘆いています。ただし、消費者からは「良品が手頃に買える」わけで大歓迎。
今回はそんなMUJI Laboの今買うべきおすすめアイテムを紹介していきましょう。ハッキリ言ってユニクロやGUとレベルが違います。
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紳士 カシミヤ混チェスターコート 2万9900円
紳士 カシミヤ混チェスターコート
まずはこちらカシミア混ウールのシリーズ。ウール77%カシミア12%の極上素材を使い、たっぷりと長丈コートを製作。その上こちらはリバー仕立て。裏も表地になっている高級仕立てのことで、裏地がない分軽く、また縫製が表に出にくいため、ラグジュアリーブランドがよく用いる仕様です。
「2万9900円のコート」と言われると確かに高いとは思いますが、普通のブランドがカシミアウールのリバーコートを作れば7万~8万円してもまったくおかしくありません。実際、この商品を見て値段を当てられる人はいないでしょう。
安さの秘密はもちろん無印良品が持っている規模感がひとつにあります。「数の暴力」により値段を下げ、クオリティを上げているのはユニクロと同じ。さらにウールカシミア素材は再生繊維を使っています。
廃棄される端材を細かく粉砕し再び生地として使用するリサイクル技術を採用しています。そのため、本来のウールカシミアの素材と比較するとムラ糸のような風合いになっています。
ただ、これがむしろヴィンテージ風の印象を与えてくれてフォーマルな印象のロングコートに着やすさを与えてくれています。
関わっているデザイナーの名前は完全非公表
大ぶりサイズで着丈は膝までたっぷりあり、生地は良質そのもの。値段こそ高いですが、正直、ユニクロやGU、ZARAすべての量販店コートと比べてピカイチでおしゃれで高品質。
さらにこちら同素材でジャケットとスラックスも展開しており、アンサンブルでも着用可能でコーデに悩むこともない。完璧です。
ここまでデザインとコンセプチュアルなモノ作りの場合、有名なデザイナーが必ず入っているはずです。しかしながら、今回「無印」の名前の通り、関わっているデザイナーの名前は完全非公表。
私の中で”誰か”は容易に想像がつくのですが憶測に過ぎないので避けておきます。まず間違いなくあの有名デザイナーでしょうねえ……。
★ユニクロ「超長綿」を圧倒するカットソー
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男女兼用 スムースジャージー長袖プルオーバー 3990円
男女兼用 スムースジャージー長袖プルオーバー
MUJI Laboではヘビーアウターだけでなく、インナーウェアも揃っています。
こちらは超長綿を採用した柔らかいジャージー素材のカットソー。とにかく肌触りが段違いにいい! ユニクロの「超長綿」と比較すると、まるで勝負にならないほどMUJI Laboの圧勝です。
柔らかく光沢があり、ウールのような風合いを持っている抜群の高級感。さらに首元が少し開いた色気のあるもので、シルエットもゆったりめ。前身頃真ん中にハギがあり、デザインの代わりとなっているのも面白い。
ルームウェアとしても使える快適な着心地
ルームウェアとして使いたくなるほど着心地のいいカットソーで、実際同素材でパンツも展開されています。
外着として活用し、特別なお泊まりの時などにはセットアップでルームウェアにする〜なんてのもアリかも。
色味はオフホワイトとブラックに加えて、色っぽいヌードベージュの展開もあり。この色合いも魅力です。
★洗濯機でもガンガン洗えるのに、美しいカラーシャツ
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紳士 ウール混レギュラーカラーシャツ 7990円
紳士 ウール混レギュラーカラーシャツ
ウールのシャツはそこまで馴染みのないアイテムだと思います。通常シャツはコットンが多いもの。ウールと聞くと「冬用のシャツ?」と誤解もしそうです。
しかし、海外のハイエンドなブランドなどではウールシャツなどよく見られます。ウールといってももちろんコートのような厚手では、なくコットンシャツと同様の厚さ。
スーツもウールで作られていますが、「トロウール」と言って春夏用のウールスーツもありますよね? あれと同じで今回のシャツも基本シーズン問わず春夏でも使えます。
もちろんウール100%でシャツを作ろうとするとかなりコストがかかりますから、今回はウール混紡ポリエステル素材。ただ、ポリを入れることでシワになりにくく、洗濯機で気軽に洗うことができるため、実用性は高くなります。
唯一、残念なのは「胸ポケット」
本格的なウールの光沢感はしっかり楽しめ、また実用性のあるポリエステルが多く含まれることでケアも楽ちん。日常的にガンガン使えるウールシャツになっています。
今までの無印と異なり、ややゆったりめのシルエット。襟も小さく上品でクラシックな大人からトレンドの着こなしまで幅広くサポートしてくれる名作です。
ただ、ここまできれいに整えたのになぜ胸ポケットをつけてワークな印象をつけてしまったのか……。惜しい部分もありますが、7990円という値段から考えれば十分許容範囲。これから一枚で着る時期になりますから人気も高い。完売前に買うことがおすすめです。
というわけで今回はMUJI Laboの名作アイテムを紹介しました!
ファッションバイヤー。最新刊『
MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『
最速でおしゃれに見せる方法 <実践編>』『
最速でおしゃれに見せる方法』『
幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「
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