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「身長を伸ばすため、母が毎日“成長ホルモン注射”を打ってくれた」韓国人女性が語った“外見至上主義”の実態

日韓での身長に対する意識の違い

成長ホルモン注射

実際にキムさんが使用していたという「成長ホルモン注射」

――もちろん、身長は高いほうが存在感が出ますし、モテにつながる風潮もあります。しかし、なぜ「身長は高いほうがいい」という意識が日本よりあると思いますか? キムさん:もともと韓国の平均身長が日本より高いことも、身長への意識が違う要因の一つかもしれませんね。私の女友だちには身長が172センチの人も普通にいるので、そもそも日本の「背が高い」といわれるレベル感とは違うと思います。 ――たしかに、日本女性で170センチ台の人は珍しいかもしれません。 キムさん:また、私の主観になりますが、当時流行ったアイドルの影響が大きかったと思います。私が成長ホルモン注射を打ち始めた頃、女性アイドルグループの「KARA」や「少女時代」が爆発的にヒットしました。 ――2011年頃でしたね!日本でも長身で美しいアイドルのパフォーマンスがかなり話題になりました。 キムさん:彼女らのスタイルのよさに影響された人は、きっと多いと思います。 あと、当時は今ほど顔の整形が流行っていませんでした。なるべく自分を磨くのが基本という風潮の中で、顔以外に努力できる部分として身長に焦点が当てられたのかもしれません。 ――ただ、子どもに身長を意識させるのは親の役目になりますよね。親世代からすでに、身長への意識が高かったということですか? キムさん:そうですね。韓国には「マム(ママ)カフェ」というインターネット掲示板があり、そこから子どもに関する情報を得る人がたくさんいます。当時から掲示板内では身長に関する情報がよく流れていたので、親世代が身長への意識を持つことは不思議ではなかったと思います。

就職では身長よりも“証明写真”が重要

――身長が就職に影響することはあるのでしょうか? キムさん:CAや芸能人など、身長が重要な職業でなければ影響しません。どちらかというと、履歴書に貼る証明写真のほうが大事な印象です。 韓国の証明写真は、男女関係なく顔の補整までがセットです。ほかの候補者が加工で顔を整える中、よほど自信がある人でないと「素顔で勝負しよう!」とはなりません。証明写真にこだわる風潮が強すぎるあまり、2021年頃に履歴書から証明写真を貼る欄をなくす動きもあったほどです。 ――就職には関係しないものの、努力で磨ける部分は磨こうという意識があるのですね。 キムさん:そうですね。実際、身長が高ければ見た目もいいですし、芸能人やスポーツ選手を目指すならなおのことです。 ただし、身長を伸ばす治療が普及した今は「身長の伸びは遺伝で決まる」と原点に戻る意見もあれば「病気以外で成長ホルモン注射を打つのは乱用にあたる」という見解もあります。 治療にはお金もかかるので、親子で無理のない範囲で試すのがいいと思います。
韓国のじめっとしたアングラ情報を嗅ぎ回ることに生きがいを感じるライター。新卒入社した会社を4年で辞め、コロナ禍で唯一国境が開かれていた韓国へ留学し、韓国の魅力に気づく。珍スポットやオタク文化、韓国のリアルを探るのが趣味。X:@bleu_perfume
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