更新日:2024年12月02日 16:54
仕事

後部座席でイチャイチャしていたカップルが…タクシー運転手が“気まずかった”客5選

4)ひたすら無言

 日曜日、都心のホテルから乗ってきた40歳前後の女性ふたり。ちょっと着飾っている感じだったので、何かのイベントに参加していたのだろうか。目的地やルートの確認をすると、短いながらもお上品な受け答えをしてくれた。  目的地までおよそ20分の道のりだった。道路は空いている。天気もいい。普通なら、ふたりの女性の会話をBGMに、優雅に走ることができると思っていたのだが……。  走り始めて3分ほどである異変に気付いた。会話が一切ないのだ。スマホでも見ているのかと思いきや、そうではない。ふたりとも、目を合わすことなく窓の外を見ているだけ。無音の密室状態になってしまった。  5分、10分、15分。あまりの静寂に緊張感がマックスになる。しかも、こちらは昼食を食べていなかったせいか、空腹でお腹が鳴りそう。運の悪いことに、信号待ちの時にそれは発生し、小さいながらも「ぐぅ……」と音が鳴った。音に気付いたのだろうか、助手席側の女性とルームミラーで目が合ってしまった。ここで、 「やだぁ運転手さん、お腹空いているのね」  なーんて軽い突っ込みをいれてくれれば場は和むが、女性たちは表情をほとんど変えず、軽く咳ばらいをしただけ。針の筵のような気分だった。

5)送り狼作戦に失敗した男

 夜遅く、上野から乗ってきた20代とおぼしき男女は少々酒臭かった。 「運転手さん、取り合えず今から言う住所に行って。その後はまた指示するから」  男性の言葉に続いて女性が住所を伝えてきた。どうやら男性が女性を送った後、自宅に帰る予定のようだ。ここまではよくあるパターンだが、走り出してしばらくすると、ふたりのやり取りの様子から、男性が女性を何とかしたいと思っていること。女性はそれをあしらっている感じで、攻略は難しそうに思えた。  すると、女性の降りる場所に近づくと男性が「いやー、俺、トイレが近くってさ。ビール飲み過ぎたかな」とアピールし始め、女性が降りようとすると、 「あ、ちょっと待って。悪いんだけどトイレ貸してくれない。家まで我慢できそうにないんだ」  おっ、その手を使ったか。さて、彼女はどうするだろう。こちらは様子を伺うしかない。すると、
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男性の懇願に女性の回答は?
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フリーライター。定時制で東京を走り回っている現役の中年タクシードライバー

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