Webデザイナーから見た業界内での『ツイッター』の騒がしさ
―[ツイッターに疲れた]―
◆仕事×ツイッター=疲労な人々
「Webデザイナーです。業界全体が『ツイッター、ツイッター』と騒ぎすぎてて疲れます」
「あのなんか青くてかわいいやつ、サイトにつけといて!」
などと、ツイッターという言葉すら知らないクライアントからの依頼に日々辟易しているのはWebデザイナーの岩城昇平氏(32歳)。業界が業界だけに、このブームで「ツイッター」という単語を耳にしない日はないという。
「職業柄、新しいWebサービスはまめにチェックしています。私も3年ほど前、日本語版がない頃からツイッターは使っていますけど、当初も今も『何が面白いんだろう』とずっと思ってますね」
朝から晩まで、働きづめの生活で「そもそもつぶやいている時間などない」(岩城氏)という一面もあるが、すでに「システムとしてのツイッター」に興味を失ってしまったにもかかわらず、仕事としてツイッターに向き合わなくてはならないのがつらいという。
「なんのWebサービスでもそうなんですけど、僕らの職業柄、プログラムを解析しながら『どんなふうに仕事に応用できるか』を考えている時間が一番楽しいんです。でも、ツイッターに関しては2年ぐらい前に解析が終わってしまって、『あれはもう古いんじゃない』なんて思っていたんですよ」
だが、降って湧いたようなツイッターブームで、ツイッター絡みの仕事が激増したのは前述の通り。「例えば、予算が大きい仕事でツイッターの仕組みをうまく取り込んで広告全体をデザインできるような仕事だったら楽しいでしょう。でも、実際は企業サイトに『ついでにツイッターもつけといて』みたいな依頼がほとんど。簡単にできてしまうし、簡単だからこそ請求できる金額も限られてますし」
企業サイトにツイッターのリンクを張り、消費者とコミュニケーションを図るなどの企画も、そもそもツイッター本来の使い方であって、そこに岩城氏のオリジナリティの発揮のしようもない。
「まあ、世間がツイッターで騒いでいるときに『もう疲れたよ』って言える俺ってかっこいいよね、という気持ちもあるんですが」と笑う岩城氏だが、その顔は本当に疲れきっていた……。
「ツイッターには疲れていますが、お仕事の依頼が
あれば絶対に断りません」と語るwebデザイナー歴
10年の岩城氏。数多く企業広告のデザインを手掛
けている。日本デザイン http://www.nippondesign.co.jp
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