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事務職は女性優先。「男の就職難」の実態

女性優遇の裏で割を食わされている男たちの嘆き

◆事務職は女性優先。「男の就職難」の実態

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 男がこんな小さなことを……いや、いろんなことを気にしていたとは。だが取材を進めるうちに、「男性差別」を訴える声が想像以上に切実であることを感じた。

 多かったのが、「就職が困難」だというケース。女子学生の就職が困難だった「氷河期」を体験した記者には、男性であることがマイナスに働くなんて、想像がつかないのだが……。

「求人内容にお茶くみ、掃除と書いてある場合、女性希望と判断して履歴書は送らないようにしています」と語る矢津幹久さん(仮名・43歳・求職中)。簿記2級の資格を持ち、経理を中心に総務職歴10年のベテランだ。しかし、ほとんどの面接で門前払いだという。

「10件中8件は『女性を念頭に置いて募集をかけた』と言われる。募集要項に『女性のみ』と書くのは法律違反だから、と」

 SE歴10年の廣岡達也さん(仮名・38歳)はPC関連職の面接を受けるたびに落とされてしまう。

「PCの専門家よりも受付や雑務などを兼任する人材として女性を求めている。確かに受付に座っているなら女のほうが見栄えがいいですよね」と廣岡さんは自嘲する。現在は年収100万円程度の肉体労働で糊口をしのいでいる。

 20以上の企業に「必要なのは女性」だと断られているのは、佐保大介さん(仮名・32歳)。希望職種は貿易や英語関係の仕事だ。

「僕は日常的に英語を使用し、英検2級も持っている。15か国以上の渡航歴があるし、むしろ適性はあるはずです!」

 厚労省労務局均等室などに指導要求書類を送っているが、改善の兆しはないという。佐保さんは失望と怒りに震えながら「能力不足は努力で補えるが、性別は変えられない。これは一種のアパルトヘイトですよ」と吐き捨てた。

 男女共同参画は適用を誤ると、双方の不利益になりかねない。広告会社に勤続20年の香山洋一さん(仮名・42歳)は、管理職登用年齢となり、同期が一斉に昇進。だが彼の課では、彼より1年遅く入った女性が昇進した。

「同僚もなぜ私ではないのか、と不審がっていました。成績は明らかに私が上だったのに。上司に直談判すると『男女平等を対外的にアピールする必要があるから、君はあと1年我慢してくれ』と。女性社員がいるのが唯一、私の課だけだったんです。その女性は数年後に結婚して辞めましたけどね」

 翌年、香山さんも無事昇進できたが、思い出すと悔しいそうだ。

「婚活」で男性差別を感じると話すのは、鹿島進さん(32歳・会社員)。3年前、大手結婚相談所に登録したが「ここは入会時に男性だけ、学歴や収入の開示が求められ、女性は条件なし。スタートラインからすでに差別でしょう」と話す。違和感を覚えつつもこれまで40人前後の女性と会ってきたが、共働きを希望する鹿島さんの条件に反し、専業主婦希望者が多かった。

「僕は女のほうが収入が上だったり、男が家庭に入ることに対しても何ら違和感がない。でも、理解してくれる人は少ない。以前、見合いの場で『主夫になってみたい』と言ったら相手に『そんなことを言うもんじゃない』とたしなめられました。どうして女は許されて、男はダメなのか!?」

 ちなみに鹿島さんの許容範囲は28~40歳。「大抵の男は、自分が優位に立ちたいから若い女性を好むけど、僕は違う。この幅広い年齢設定こそが、男女平等思想の表れ」と胸を張る。記者も妙齢に差しかかりつつあるが、これにはどう反応してよいものか……。

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「男女共同参画の理念にはすごく共感していたし、理想だった。
これまで築いた人生観を否定された気分です」と話す鹿島さん


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佐保さんが労働基準監督署に送った書類。
「違反者が罰せられなければ意味がない。差別待遇は厳罰に処するべき」


イラスト/子原こう
― [女性優遇社会]にマジギレする男たち【2】 ―

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