中村アンが振り返る“武器”だったロングヘアーを削ぎ落としたタイミング「もし切るならしっかり意味を持たせたかった」
2025年4月6日からWOWOWで放送・配信されているのが、中村アンさんの出演ドラマ『連続ドラマW 災』だ。全6話の本作では、香川照之演じる謎の男が不気味にうごめく近辺で起こる殺人事件が描かれる。
動機がまるでわからない事件を追うのが、周囲から煙たがられるほど熱心な刑事・堂本翠(中村アン)。昨年放送された『約束 〜16年目の真実〜』(日本テレビ系)に続いての刑事役。クリアな眼差しが印象深く、魅力的である。
本記事では、俳優の演技を独自視点で分析するコラムニスト・加賀谷健が、中村アンさんにインタビューを敢行。共演者たちと緊張感を共有した撮影現場の雰囲気のほか、「ショートヘアーに変化した素敵なタイミング」と中村さんが振り返る過去作についても語ってもらった。
――本作では、香川照之さん演じる不気味な男が、各話ごとに謎を散りばめていきます。脚本を読んだときの感想から教えてください。
中村アン(以下、中村):この物語で描かれていることは、私たちの生活と隣り合わせだなと思いました。物理的な事柄を含め、さまざまな人間関係がガタガタガタっと崩れる。他人事ではありません。生きていることが大切に感じられました。
――事件の謎を追う刑事・堂本翠を演じる上で、どんなことを足がかりに役作りしましたか?
中村:私が演じさせていただいた堂本翠は、周囲から煙たがれるくらい仕事中毒の刑事です。私も仕事人間なので共感できる部分が多いです。さらに堂本は、動機が分からない事件に対して「人は理由なく死なない」と、その執着で事件の捜査を続けます。
役作りとしては、仕事に対して前のめりになっている堂本のスタイルを視覚的に表現するため、姿勢のバランスには気をつけました。さらにこれはいつも演技のテーマになることですが、キャラクターに合わせた声量やセリフの言い方を工夫しています。今回は堂本のテンションに合わせてどこまで声を張るべきか考えました。演出を担当された監督集団「5月」の監督さんたちからは「低くて大丈夫です」と明確なアドバイスをいただきました。その上で伏線になる描写や演技の方向性が掴みづらい場面についてはその都度、監督に相談していました。
――中村さんにとって大きな挑戦となった役柄だったわけですね?
中村:昨年日本テレビ系で放送された『約束 〜16年目の真実〜』(以下、『約束』)で演じた刑事役とはまた違うアプローチで、これまでの中村アンのイメージを忘れるくらい、この作品に出演できたことがチャレンジングな体験でした。現場ではこれまで以上に自分も積極的に意見をお伝えできたかなと思います。

中村アンさん
これまでの中村アンのイメージを忘れるくらいの体験
コラムニスト・音楽企画プロデューサー。クラシック音楽を専門とするプロダクションでR&B部門を立ち上げ、企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆。最近では解説番組出演の他、ドラマの脚本を書いている。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu
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