更新日:2025年06月12日 17:27
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「ミナミは歌舞伎町よりワルい状態」万博特需で潤う夜の街で増大する“トクリュウ”の存在感

 大阪・関西万博の喧騒の陰で、裏社会ではIR開業後に待ち受ける巨大利権の争奪戦が起きている!?建設業界、民泊ビジネス、闇金、歓楽街……万博で動く莫大な“カネ”の争奪戦に迫った。

万博特需で潤う夜の街ではトクリュウの存在感が増大

[大阪万博とヤクザ]の“裏”実態

歌舞伎町を凌ぐ、日本最大の歓楽街と呼ばれるミナミ(写真の場所は本文の内容と関係ありません)

「暴力団お断り」の張り紙のもとに進行する万博事業。その一方、そっぽを向いたヤクザたちが“特需先”と息巻いているのが夜の街だ。  万博には全国だけでなく世界中から観光客が押し寄せている。そうなれば当然、飲み屋の客足も伸びてくる。 「特に大阪一の歓楽街であるミナミは今なおヤクザたちが根を張っているエリア。ヤクザ本人が出資、また事実上の運営側に入っているキャバクラやガールズバー、コンセプトカフェも多い。ただ、ここ10年ほどは府警の目も厳しく、ヤクザの動きを追うためにミナミの至るところに防犯カメラが設置されて監視されているので、顔が割れたヤクザが店に出入りすれば一発で探られる」(歓楽街関係者)  さらに、昨今の警察の動きとしては、地元の飲み屋街を中心に夜の営業店への立ち入り調査が頻繁に行われているという。  府警の関係者は、「防犯カメラの映像や通報を基に、特定の店をピンポイントで調査することが増えている。実際、表向きは健全な飲食店でも、裏ではヤクザ資金が流れ込んでいるケースもあり、取り締まり対象となっている」と話す。

“トクリュウ”に東京の半グレも参入し混乱

[大阪万博とヤクザ]の“裏”実態

「ミナミは歌舞伎町よりワルい状態」と話す警察関係者

 そうした中で、一役買っているのが、トクリュウ(「匿名・流動型犯罪グループ」の略称)と呼ばれる犯罪集団だ。 「飲み屋は10代から20代の若いカタギのコたちに任せている。向こうからしても自分たちの収入になるし、もし他の組織から嫌がらせをされた時はこちらに相談できるから楽やろ」(前出の歓楽街関係者)  トクリュウの存在感が増している背景には、かつてのヤクザ組織が持っていた統制力が弱まっていることも関係している。  府警による徹底的な取り締まりと、暴対法の強化により、ヤクザの資金源は減少。代わって、若年層の半グレ集団が勢力を伸ばし、従来の勢力図を塗り替えつつある。 「最近は警察の締めつけで仕事ができなくなって、東京から流れてくる半グレも増えてきている。大手スカウトグループ『N』の残党が大阪に移り、仕事を始めようと動いていて、地元の半グレたちと小競り合いになっている話も聞いている」(府警関係者)
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東京発の半グレが“地域密着”勢力とコラボ
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