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大谷翔平「打率.190&防御率37.80」の悪夢から5年…“二刀流復帰”へ順調も待ち受ける「最悪のシナリオ」

 ドジャースの大谷翔平が好調を維持している。日本時間22日のダイヤモンドバックス戦に指定席の1番指名打者で出場した大谷は、4打数無安打に終わったものの、ライトへのあわや本塁打かという大飛球もあった。

打線好調も…苦しすぎる「投手陣の台所事情」

 これで5月は19試合に出場し、打率.329、10本塁打。盗塁の数は4月までの9個から2個に減らしているが、開幕から全く伸びていなかった打点数が上昇中だ。春先は低調だったドジャースの下位打線にも当たりが出始めたことで、チャンスで大谷に回る場面も増えてきた。  また、大谷に呼応するようにドジャース打線も好調。22日の試合では、ケガから復帰3戦目のテオスカー・ヘルナンデスが約3週間ぶりとなる一発を放つと、大谷の直後を打つムーキー・ベッツも直近3戦で2本塁打を含む5安打と本領を発揮しつつある。  あとはマックス・マンシーとマイケル・コンフォートが例年並みに打ってくれさえすれば、リーグ屈指の重量打線が完成するだろう。  一方で投手陣、特に先発ローテーションは大黒柱の山本由伸を除き、期待外れに終始している。  ドジャースの投手で規定投球回数に達しているのは山本とダスティン・メイの2人だけで、そのメイも防御率は4点台と好不調の波がある。山本とともに豪華ローテーションを担うはずだったタイラー・グラスノー、ブレーク・スネル、そして佐々木朗希も戦列を離れている状況だ。  先週にクレイトン・カーショーが戻ってきたが、今季初登板は4回5失点。制球、球威ともに課題を残した。グラスノーとスネルの復帰時期も未定で、先発投手陣の台所事情は苦しいままである

大谷の二刀流復帰が前倒しになる可能性も

 そんななか、大谷が2年ぶりの二刀流復活へ向けて着実に前進している。  22日の試合前にはブルペンに入り、ウイニングショットの一つ、スライダーも交えて20球以上を投じた。今週末にライブBP(打者相手に実戦を想定した投球練習)を行うプランも浮上するなど、調整は順調に進んでいる。  ただ、チームの方針もあり、現時点で想定されている大谷の復帰時期はあくまでもオールスター明け。まだ2か月近くも先の話だ。  しかし、先述した通り、ドジャースの先発陣は質・量ともに不足している、改善のメドは立っていない。もしグラスノーとスネルの復帰時期が大幅にずれ込むようなら、大谷の復帰時期が前倒しになる可能性も出てくるだろう。そうなると、打者・大谷への影響も少なからず出てくるはずだ。

二刀流復帰による懸念点

 大谷の二刀流復帰に際して、想定されているのが打席数の減少である。当初は球数と投球間隔をチームがしっかり管理するとみられるが、登板の翌日は休養を取るケースがほとんどとなるだろう。週1回のペースで登板するとなると、少なくとも週1日は全休。体の状態によっては、週に2回スタメンを外れることがあるかもしれない。  さらに昨季終盤に怒涛の勢いで増やした盗塁も、仕掛ける場面がかなり少なくなるのは間違いないだろう。  18歳でプロ入りして以降、二刀流を貫いてきた大谷も今年7月に31歳の誕生日を迎える。10月のポストシーズンまで見据えれば、強行出場させることは考えづらい。
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思い起こされる2020年の悪夢…
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1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬情報サイトにて競馬記事を執筆中。

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