「白ワンピに肉球の跡が…」美容室で“犬を膝の上に乗せられた”潔癖女性の悲劇
日系エアラインのCAから六本木のクラブママを経て作家となった蒼井凜花が、実際に体験した、または見聞きしたエピソードをご紹介。今回は「衛生面の価値観」についてお届けする。
私はかなりの潔癖症である。例えば、帰宅したら即手洗い・うがいを行う。
バッグ類は基本、地べたに置かない。地べたには目に見えない雑菌、吐しゃ物、犬のふん、鳩の落とし物、無数のバイキンがうようよしているのだ。他人が駅のホームにバッグを直置きする姿を見た日には、思わず除菌シートを手渡したくなる。
そんな私に、ある日事件が起きた。場所は行きつけの美容室である。カットが終わって髪も整い、仕上げのスタイリングを受けていたときのこと。エントランスには、可愛いトイプードルを連れた若い女性がいた。どうやらサロンのシャンプーを買いに来たらしい。
赤い洋服を着たトイプードルはふわふわで、お客さんやスタッフに大人気。「可愛い~」「抱っこしていいですか?」と、はしゃぐ声が聞こえてきた。
飼い主の女性も上機嫌だ。そして、担当の男性美容師が、さりげなく私に聞いてきた。
「蒼井さんは、犬好きですか?」
「ええ、好きです」
そう答えた直後、彼はエントランスに向かい「ちょっとお借りします。あちらのお客さまもワンちゃんが好きなんですって」と、その犬を抱き上げ、私のひざの上にポンッと乗せた。
そのときの私の洋服は白のワンピース。クロスも外して、まさに仕上がった直後である。よりにもよって「土足の犬」、そして「白ワンピのひざの上」だ。
(うそでしょ、土足で?)
私は心の中で絶叫した。しかし、「汚れるからやめて」と言いかえす勇気はなく、心の中で泣きながら笑顔で犬を撫でた。人懐っこくて可愛いワンコだが、結果、白いワンピースにはうっすら肉球の足跡が……。
そのとき、私は理解した。「ペット好きな人は、足の裏の汚れは意外と気にしないのだ」と。これはある意味、文化や価値観の違いかもしれない。
実は、これに似たことが、元カレとの旅行中にもあった。
大阪の外資系ホテルでの一夜。彼がシャワーを浴びてバスローブ姿で出てきたまでは良かったが、ふかふかのカーペットの上を、なんと裸足で歩いてきたのだ。
この恐怖、ご理解いただけるだろうか。高級カーペットだろうと、所詮は「土足ゾーン」。ハイヒールに革靴、何百人もの足が踏みしめたバイキンのホットスポットである。
雑菌、吐しゃ物、犬のふん。見えない汚れのオンパレードなのに……。
美容室で犬をひざの上に乗せられ…

画像はイメージです
土足で膝に乗られて心の中で絶叫

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※画像生成にAIを利用しています
ホテルのカーペットは「土足ゾーン」なのに…
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元CAの作家。日系CA、オスカープロモーション所属のモデル、六本木のクラブママを経て、2010年に作家デビュー。TVやラジオ、YouTubeでも活動中。
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