「戦力になっていないおまえに給料を払っている」と暴言を吐く上司にイラッ…新入社員がわずか“1か月”で退職するまで
企業には「必ず始業10分前には着席している」「定時になっても上司の許可を得ないと帰宅してはいけない」など、独自の「不文律」が令和の世にもまだまだ存在する。
必要悪としてしょうがない種のものもある一方、もはや価値観にそぐわない、旧習めいた言いつけも少なくない。
新卒で入った会社を早々に辞めた松田光春さん(仮名・20代)の退職理由も、上長の古めかしい“我が社ルール”のせいだという。
松田さんは今春、中規模IT企業に入社。全体研修を経て、システム開発部へ正式配属されるやいなや、疑問を感じる“指導”を受ける。
「配属して早々、新人3人がシステム開発部の部長に呼び出しを受けました。『うちの会社では、新人は始業の30分前に来て、先輩社員を出迎える決まりがある。君たちも30分前に来て部内の掃除をしなさい。松田くんは掃除に加えてお茶用にポットのお湯も沸かしておくように』と指示されました。内心『おかしくないか?』と思いながらも、圧に屈して断れなくて……。渋々30分前に出勤しては、掃除をする毎日が始まったんです」
その後、さらに新たな“我が社ルール”が発覚する。
「30分前出勤をするようになってから1週間ほどが経過したころですかね。部長から呼び出しを受け、『社会人は土日の過ごし方が大事。土日だからといって、遊んでばかりではダメだ。プログラムを覚えるための宿題を出すから、必ずやって月曜の朝までにメールでおくるように』と言われました」
だが納得のいかない松田さん。課題をやらないまま、月曜日を迎える。
「会社側が『これをやれ』って指示を出したら、それはもう業務じゃないですか。なのに、この宿題をやっても業務時間には当然カウントされないわけです。だから土日は遊べるだけ遊んで、一切手をつけないまま出勤しました。
時代も時代ですし、向こうも強く出られるわけがないと高を括っていたんですよね。それがどっこい、部長から『宿題が未提出なのは、なぜなのか? 仕事をナメているのではないか』と、強い口調で叱責を受けてしまって。私もカチンと来て、『就業時間外の過ごし方について、あれこれ言われるのはおかしいのではないですか?』と返しました。
すると、『新人が土日に宿題をするのは、うちの会社のルールだ。なんの戦力にもなっていないおまえに給料を払っている会社の言うことを聞けないなら、辞めていい。とりあえず、今からやれ』とまで言われたんです。もうこの時点で退職しようと思いましたが、同期に引き止められ、一旦はその気持ちにフタをしました」

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新人は「始業の30分前」に出社するルールが
土日に取り組む“宿題”を押し付けられ…
複数媒体で執筆中のサラリーマンライター。ファミレスでも美味しい鰻を出すライターを目指している。得意分野は社会、スポーツ、将棋など
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