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<安田記念>武豊に立ちはだかる「デビューから255連敗」×「16年勝利なし」…“2つの絶望データ”とは

 先週末の日本ダービーであと一歩の4着に好走したサトノシャイニング。大外枠から不利を跳ね返す好騎乗を見せた武豊騎手にはレース後、称賛の声が沸き上がった。  さらにファンを沸かせたのは、ダービー後の最終12R。武騎手は、アドマイヤテラとのコンビで目黒記念を制し、自身の持つ重賞連続勝利記録を39年に更新。千両役者がダービーデーの大観衆の前で1時間20分遅れの美酒を味わった。
武豊騎手

武豊騎手 
写真/橋本健(以下同)

 こうなると、武騎手が次に狙うのは、昨秋のジャパンC以来となるG1タイトルだろう。そのチャンスは数日後に早くも訪れる。8日に東京競馬場で行われる安田記念である。

今年はジュンブロッサムとのコンビ

 これまで安田記念を3度制している武騎手がコンビを組むのは、伏兵のジュンブロッサムだ。昨年のマイルCSと今年初戦の東京新聞杯を連続10着に凡走した同馬だが、久々に武騎手が跨った前走・マイラーズCで2着に入り復調の兆しを見せた。  ただ、今年の安田記念にはジャンタルマンタルブレイディヴェーグなど5頭のG1ウイナーが集結。重賞勝利が昨年の富士Sだけというジュンブロッサムにとって、ややハードルが高い一戦になるのは間違いないだろう。  そんなジュンブロッサムに強調材料があるとすれば、その富士Sの舞台が今回と同じ東京芝1600mだったこと。しかも、今回上位人気が予想されるソウルラッシュを2着に退けているだけに、広い東京コースなら大駆けがあっても驚かないだろう。また、このコンビは4戦3連対と相性もいいだけに、激走を期待しているファンも少なくないはずだ。  ただし、そんなファンの期待を大いに裏切りかねない2つの“絶望的なデータ”が武騎手には存在する。

東京マイルG1の勝利数はルメール、横山典弘と並び最多

 1つ目が、武騎手は「丸16年、府中のマイルG1を勝てていない」ことだ。安田記念以外に、ヴィクトリアマイルとNHKマイルCが行われるこの舞台を、武騎手は“かつて”得意としていた。  デビュー4年目の1990年、伝説の名馬オグリキャップで安田記念を制した武騎手は、その勝利を皮切りにウオッカで制した2009年の安田記念まで、東京マイルG1では36戦して【7-3-5-21】の好成績を残していた。この7勝という数字は、C.ルメール騎手と横山典弘騎手と並ぶ歴代最多である。  ところが2010年以降は、ハナ差で敗れた18年のヴィクトリアマイルなど惜しい2着はあるものの、先月のヴィクトリアマイルまで、38回騎乗して【0-3-1-34】。上位人気馬に騎乗する機会も決して少なくない中で、泥沼の38連敗を喫している。  東京芝1600mといえば、スピードに加えて、スタミナと底力も問われるコース。武騎手が持つ熟練の技や巧みな手綱さばきがアドバンテージにならないコースとも言えるだろう。それも武騎手が不惑の年を境に勝てなくなった理由の一つかもしれない。
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武騎手に立ちはだかる「255連敗のジンクス」とは
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競馬歴30年以上の競馬ライター。競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。競馬情報サイト「GJ」にて、過去に400本ほどの記事を執筆。

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