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「地方の若者が新車のアルファードに乗れる秘密」元ディーラー営業マンが暴露。“最低500万円”でも現実的な選択肢になるワケ

高いクルマは高所得者しか買えない、というイメージが強いかもしれません。ですが、街を走っている高いクルマ、とりわけアルファードを見ると、若くてヤンキーのような風貌の人が乗っているのが目立ちます。
アルファード

※写真はイメージです(Photo by AdobeStock)

アルファードは新車の場合、最低でも500万円します。若いヤンキーのどこからそんなお金が……? 最近、インターネット上では「残クレアルファード」という言葉を見かけますが、彼らは決して高所得者というわけではなく、ある特殊な買い方をしているからアルファードなど高価な車が買えるのです。今回は、そのカラクリを筆者がディーラー勤務時代にあった経験談をもとに解説します。

「マイルドヤンキー」が顧客ターゲットに合致

なぜ、いわゆるマイルドヤンキーたちがアルファードを欲しがるのか、というのは明確な理由があります。 彼らは「地元志向で家族・仲間との時間を重んじ、見た目が派手で快適なミニバンを好む」という特性がありますが、アルファードや兄弟車のヴェルファイアの大きくて威圧的なデザイン、豪華な内装・広い室内がまさにそれらにマッチします。 以前、トヨタの販売店向けマニュアルがSNSに流出して話題となりましたが、そこには顧客ターゲット層として「マイルドヤンキー」という単語が書かれており、そもそも彼らに向けて設計・企画されていることがうかがえるのです。

最低500万円ものクルマを若いマイルドヤンキーが買えるワケ

500万円のアルファードを若いマイルドヤンキー層が購入できる理由は、いくつかの現実的な背景があります。まず、ディーラーが提供する「残価設定ローン(残クレ)」を活用すれば、車両価格の全額を支払う必要はありません。将来の下取り価格を差し引いた残りを分割で支払うため、ボーナス払いを併用すれば月々の負担は5万円以内に抑えられることが多く、若年層でも手が届きやすくなります。 また、地方のマイルドヤンキー層の中には高校卒業後すぐに就職し、工場勤務や建設業などで高い年収を得る人もいます。実家暮らしで家賃や生活費がかからず、可処分所得が多い人がいることも大きな要因です。 さらに、見た目のインパクトや“威圧感”のある車に対する憧れや、仲間内でのステータスとしての価値も購入動機となっています。 加えて、親や祖父母などから頭金やローンの一部を援助されるケースもあり、経済的な支えがあることも事実です。このように、支払い方法・収入環境・価値観・家族の支援など、複数の要因によって、若いマイルドヤンキー層が高額なアルファードを所有できるのです。
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アルファード以外にも…
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埼玉県在住の兼業ライター。大学卒業後、大手日系自動車ディーラーに就職。その後、金融業界の業務・教育支援を行う会社に転職し、法人営業に従事しながら、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP資格を取得。X(旧Twitter):@gengen801

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