100万円近く払っても転職できない?「高額キャリアコーチング」は本当に有効なのか
人生100年時代。「人生最後の職場を探そう」と、シニア転職に挑む50、60代が増えている。しかし、支援の現場ではシニア転職の成功事例だけでなく、失敗事例も目にする。シニア専門転職支援会社「シニアジョブ」代表の中島康恵氏が、今回は高額キャリアコーチングの有効性や注意点について解説する。
近年、急増するキャリアコーチングという名称のサービスをご存じだろうか? キャリアコンサルティングや人材紹介などとは違うサービスなので、どんな効果があるのかあまりわかっていない人も多いだろう。高額な料金を払うことに不安な人もいると思うので、その現状を解説する。
現在、「キャリアコーチング」と呼ばれるサービスが急拡大している。
キャリアコーチングとは「働き手にとっての理想のキャリアが何であるのか」「その理想を実現するにはどうすればよいのか」といったことを、コーチが対話を通じて引き出し、理想のキャリア実現に導くサービスである。
この説明でも、実際にどんなサービスを受けられるのか、人材紹介など他のサービスとの違いは何なのか、これまでにキャリアコーチングを受けた人でなければわかりにくいことだろう。
そうしたわかりにくさも影響しているためか、キャリアコーチングの中には「高い料金の割に期待した効果が得られない」など、ネガティブな印象を持たれてしまうことや、実際に質の良くないサービスがあり、話題になることも増えている。
今回は、増加しているキャリアコーチングについてその実態と効果を考察する。
まず、キャリアコーチングを説明することが、実は意外と難しい。
ちゃんとした、本来の意味でのキャリアコーチングは、冒頭でも述べたような、対話を通じてその人の理想のキャリアを導き、その道筋を目指すための支援を行うもので、長期的なキャリア目標やそのための成長の実現を目指すものだ。しかし、必ずしもそうとはいえない、他のサービスとの区別が曖昧なサービスも残念ながら存在している。
ちなみに、キャリアコーチングと別物であるキャリアコンサルティングは、厚生労働省の「キャリアコンサルティング・キャリアコンサルタント」の説明ページを見ると、「労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うこと」とされ、そのキャリアコンサルティングを行う国家資格のキャリアコンサルタントは、「キャリアコンサルティングを行う専門家で、企業、需給調整機関(ハローワーク等)、教育機関、若者自立支援機関など幅広い分野で活躍」しているとされる。
キャリアコーチングの立場からはしばしば、キャリアコーチングが中長期的なキャリアの目標達成のための支援を提供するのに対して、キャリアコンサルティングでは短期的なキャリアの課題解決のための支援が提供されると言われるが、その境目は見えづらい。
また、キャリアコーチングのための国家資格はなく、民間資格のほかにキャリアコンサルタントの有資格者がキャリアコーチングで活躍する場合があることも、キャリアコーチングとキャリアコンサルティングをわかりづらくしている。

シニア専門転職支援会社「シニアジョブ」代表の中島康恵氏
急増するキャリアコーチングとは?
キャリアコーチングとキャリアコンサルティングの違いは?
50代以上のシニアに特化した転職支援を提供する「シニアジョブ」代表取締役。大学在学中に仲間を募り、シニアジョブの前身となる会社を設立。2014年8月、シニアジョブ設立。当初はIT会社を設立したが、シニア転職の難しさを目の当たりにし、シニアの支援をライフワークとすることを誓う。シニアの転職・キャリアプラン、シニア採用等のテーマで連載・寄稿中
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