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江本孟紀氏が語る、「野球部でしごかれた話」を披露するプロ野球OBが後を絶たないワケ

第107回全国高等学校野球選手権大会は、沖縄尚学の初優勝で幕を閉じた。開会式の夕方開催や、岐阜商業の躍進など、話題になったトピックは数多くあった。だが、もっともセンセーショナルだったのは、「広陵の暴力事案」で間違いない。高校野球ファンだけに留まらず、日本中で大きな議論を呼び、今でもなお余波が残っている状況だ。 「昭和の野球部には、確実に“しごきの文化”が存在していました。間違いありません」 こう断言するのは、野球解説者の江本孟紀だ。「理不尽なしごきのある野球部は強豪、ない野球部は弱小である」――このような認識がされていた時代もあったのだという。 「しごきがあってこそ、強豪野球部の象徴である」という時代のなか、学生野球に身を投じた江本に、当時を振り返ってもらいつつ、広陵の一件について所感を語ってもらおう。
江本孟紀

江本孟紀氏 ©産経新聞

下級生のとき、しごかれた話はよく見るが…

テレビのバラエティー番組やYouTubeなどで、プロ野球のOBが得意げに「昔の学生野球部の上下関係の話」をする場面は少なくない。 「夜食を必ず作らされて寝る時間がほとんどなかった」 「下級生のときは練習なんてほとんどできなくて、先輩のユニフォームの洗濯やマッサージなんかで時間を使ってばかりだった」 「ちょっとでも粗相があると、『集合』と呼び出されて、説教を食らってしまう」 たいていはこんな話に集約されるものだが、こうした発言を見聞きしたとして、決まってこんな疑問を持つのではないか。 「あなた方が上級生になったときには、下級生たちにはどうしていたの?」

再生回数が稼げるから?

実はこの手の話をする人たちに共通するのが、「自分が上級生のときの話はしない」ことである。 「私も聞かれたら答える程度にとどめて、詳しくああなった、こうなったという話は、あえて積極的にはしませんでした。当時は“しごきの文化”が当たり前でしたが、『たかだか1年早く生まれたくらいで、なんであんなに偉そうにしているんだ』と内心ばかばかしいものだと思っていました。野球がうまくなるわけでもないですし。 この手の話をYouTubeで披露するOBたちに共通するのが、『みんなが通ってきた道だから、きっと賛同を得て再生回数が稼げるに違いない』という単純な理由で配信しているんでしょうね」(江本氏、以下同じ)
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1年間トイレの便座に座れなかった
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スポーツジャーナリスト。高校野球やプロ野球を中心とした取材が多い。雑誌や書籍のほか、「文春オンライン」など多数のネットメディアでも執筆。著書に『コロナに翻弄された甲子園』『オイシックス新潟アルビレックスBCの挑戦』(いずれも双葉社)

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