更新日:2025年10月15日 14:51
エンタメ

【対談】NORIKIYO×SITE「無期懲役囚でさえHIPHOPで変わってく」

NORIKIYO氏と、SITE氏を具現化したトニー君と。

 SPA!で好評連載中のヒップホップドキュメンタリーコミック『少年イン・ザ・フッド』。9月29日に待望のコミック11巻が発売された。マンガはもちろん、恒例となっている巻末対談が話題になっているが、今回登場するのは大麻取締法違反で実刑3年の判決を受け、先ごろ仮釈放されたラッパーNORIKIYO! 神奈川・相模原を拠点とするHIPHOP集団「SDP」を代表するラッパーと、そのメンバーでもある作者・SITEが、クルーの歴史と刑務所のリアルを語り尽くす。今回はコミックより一部抜粋してお届けする!

「刑務所の中から年イチでアルバムを出す」(NORIKIYO)

SITE(以下、S) まずは、おかえりなさい。服役中もリリースが止まらなかったのは、日本のシーンじゃ前例がなかったよね。結局全部で何曲出したの? NORIKIYO(以下、N) 入る前に用意したのは、全部で50曲ぐらい。実際にリリースしたのは、シングル12曲とアルバム2枚とMIX CDの1枚かな。実はもう1枚アルバムを用意してたんだけど。 S 1stを出す前に足を怪我したときもそうだけど、キー君ってピンチになるとパワーアップするよね。筋肉の超回復みたいに。 N やるしかねえ状況に追い込まれただけ。「これから3年は懲役に行くわけだから、家族を食べさせるためには年イチでアルバム出すしかねえな」って。 S 俺もストリート絡みで結構ハードな経験をしたけど、その時はやっぱパワーダウンしちゃったし。だから尚更凄いなって思う。 N 俺はSITEがパワーダウンしてるって思ったことはないよ。色んなことに巻き込まれつつ、結局「漫画を描く」って目標に近付いて行ったわけじゃん? S 言われてみたら確かにそうかもね。それにしても、逮捕されて懲役に行ったのに、思い切りプラスになっているのは凄い。音源出して、PV出して、出所後のライブのためにクラファンやって。外にいるラッパーの誰よりも一番多くリリースしてたと思う。マジで刑務所の中から伝説を作ったよね。しかも健康になって出て来たっていう(笑)。
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若い頃の失敗が30〜40代で生きてくる事だってある
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