“唾液力”の低下が地味な不調の原因に。歯科医が指摘する3つの悪習慣
「朝起きたときに口の中がネバつく」「人と話すとき、口臭が気になる」「なんとなく口の中が乾いている」そんな“地味な不調”を、年齢や疲れのせいにしていませんか。実はその背景にあるのは「唾液力の低下」かもしれません。
①朝起きた時に口がねばついて不快
②乾いた食べ物(パン、クッキーなど)をよく食べている
③会議中など話し続けると喉が詰まった感じがする
④気づくと無意識に口がポカンとあいている
⑤1日にコーヒーを3杯以上飲む
唾液は、口の中を潤すだけではありません。食べかすや糖を洗い流し、細菌が作る酸を中和し、むし歯や歯周病、口臭リスクを下げる“天然の防御機能”でもあります。口が乾く状態が続くと、こうした防御が弱まるため、男の老けや口臭予防には「唾液」は不可欠なのです。
しかし、現代の働く男性の口内はカラカラに乾いています。良かれと思ってやっている日常の習慣が、実は「最強のアンチエイジング液=唾液」を奪っているとしたら?
今回は、3つの悪習慣について説明します。
コンビニで手軽に買えて、眠気覚ましや気分転換になり、仕事スイッチが入りやすいため、コーヒーやエナジードリンクを日常的に飲む人は多いです。しかし、カフェインには利尿作用があるため、体内の水分は奪われて唾液の分泌も低下します。その結果、口の中は乾燥状態となります。
「朝からコーヒーを何杯も飲む」「眠気覚ましにエナドリが習慣」という人は、知らないうちに口の乾燥を助長している可能性があるのです。
特に問題なのは、“水分を取っているつもりで、実は口の中が乾いている”という状態です。カフェインや酸味の強い飲料、糖分の多い飲料に偏ると、一時的な満足感は得られても、口の中の快適さが落ちやすいです。
エナジードリンクやスポーツ飲料には糖分が多く、唾液が減った口内ではむし歯・歯周病リスクがさらに高まります。さらに、こうした飲み物は「口が乾きやすくなる」だけでなく、「歯そのものを溶かしやすい環境」をつくることもあります。むし歯菌によるものではなく、飲食物などの酸によって歯の表面が少しずつ溶けていく状態を「酸蝕歯(さんしょくし)」と言います。
本来、口の中では唾液がこの酸を薄めたり中和したりして、歯を守っているのですが、カフェインやアルコールで口が乾きやすい、水分不足で唾液量が少ない、酸性飲料をだらだら飲み続けるなどの条件が重なると、「酸から歯を守る力」が落ちた状態になります。つまり、唾液力の低下は、口臭やネバつきだけでなく、“歯が溶けていくリスク”にも繋がるのです。
酸蝕歯が進むことで歯に見られる変化には次のようなものがあります。
・歯がしみる
・歯の表面がツヤっと薄く見える
・歯の先端が透けたように見える
・以前より歯が丸く、小さく見える
酸性飲料を完全にやめる必要はないですが、だらだら飲みや毎日の摂取は避けること、摂取後は水で口を流すこと、飲んだ直後に強く磨きすぎないことが、酸蝕歯対策として重要です。特に、「健康のためにスポーツドリンクを飲んでいる」「眠気覚ましにエナドリが欠かせない」「ブラックコーヒーを一日中ちびちび飲んでいる」という人ほど要注意です。
健康のために習慣にしている「お酢(黒酢・りんご酢)」や、ジムでの「スポーツ飲料」、仕事の合間の「炭酸水(レモン入り)」なども、実は酸性が強く、だらだらと飲むと歯を溶かすリスクがあります。コーヒーは、それ自体が悪いわけではなく、利尿作用のあるものを、水の代わりにずっと飲んでいることが良くありません。カフェイン飲料を飲んだら、同量の「水」をこまめに飲むことを心掛けましょう。
つまり、“毎日飲んでいるアレ”が、口臭だけでなく、歯の見た目までじわじわ老けさせている可能性があるのです。
あなたは大丈夫? 唾液力低下サイン

歯科医師の野尻真里
悪習慣①:水代わりに「コーヒー・エナジードリンク」を飲む

※写真はイメージです(写真/Adobe Stock)

酸蝕歯で全体的に歯が溶けて、むし歯もみられる
一般診療と訪問診療を行いながら、予防歯科の啓発・普及に取り組んでいる歯科医師です。「一生涯、生まれ持った自分の歯で健康にかつ笑顔で暮らせる社会の実現」を目標にメディアで発信をしています。X(旧Twitter):@nojirimari
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