有名ゲームのアメリカ人翻訳家に「麻雀の勝ち方」を聞いてみた

全世界で170万本をセールスしたというゲーム『ダークソウル』。その前作『デモンズソウル』も含めてこのシリーズの英語翻訳を務めたライアン・モリス氏(37歳)は日本語がペラペラで、自らを「オタクで草食系男子」と語るアメリカ人翻訳家。しかも、日本に住んで10年にして、とある麻雀リーグで2度も優勝を果たし、「麻雀世界選手権」でアメリカチームのキャプテンを務めたほどの麻雀の腕前だという。そもそも日本に住むようになったのは「プロの麻雀士と麻雀を打つため」だったというから驚きだ。【前編】では、そんな彼と麻雀との出会いについて語ってもらった。そして……

※【前編】⇒「日本に移住した理由は麻雀!? 有名ゲームのアメリカ人翻訳家」

「ライアンに麻雀の勝ち方を聞きたいんだけど」と話を振ったところ、麻雀を打ったことのある人ならよくわかるが、興味のない人にはさっぱりとわからないであろうディープな話に。ということで、麻雀を知っている人にむけた「オマケ」のページです。ちなみに、聞き手は麻雀はド下手で、もう10年は牌をまともに触っていない男なので、「こいつ知ったかぶってんじゃねーよ」と思われる方がいらっしゃったらすいません、先に謝っておきます! 知ったかぶりました!! ちなみに、以下のライアン氏の発言はすべて日本語で彼が回答したものです。

――でさ、ライアンに麻雀の勝ち方っていうのを聞きたいんだけど。

ライアン:それは難しいよね。麻雀って人それぞれの打ち方があるし、絶対の正解がないところが面白いところだし。

――じゃあ、ライアン自身はどういうやり方で、麻雀で勝っているの?

ライアン:僕の場合は、すぐに鳴いて早上がりするパターンが多いね。「もっと高い手で上がれるのに」って言われることも多いけど、例え1000点、2000点で上がっても、ほかの人に2000点オールとか上がられる前に上がれば、その上がりには3000点、4000点の価値があるって考えているんだ。

――攻撃は最大の防御なり、って考え方なのかな。

ライアン:もちろん、早上がりばかりを狙っているわけじゃないよ。勝負どころでは、リーチがかかっても大胆に大物手を狙っていくこともある。要は攻めるべきときと、守るべきときのメリハリをつけているんだ。ポーカーでいう「タイト・アグレッシブ」っていうプレイスタイルに近いんだけどね。

――ポーカーはよくわからないけど、それをすることで配牌がよくなったり、悪くなったりするという「麻雀の流れ」みたいなものは感じたりする?

ライアン:うーん。僕は完全に「デジタル麻雀」の人だね。「流れ」っていうものについては、かなり深く考えたんだけど、「流れ」はない。いわゆるオカルトを信じる人もいるし、その人の考えを否定することはしないけど、僕は「流れはない」って思っている。

――かなり深く考えたっていうことは、一時は「流れ」を重視していたりしたの?

ライアン:いや、僕はずっとデジタルの人だね。麻雀に限らず、ブラックジャックでも、ポーカーでも、デジタルな考え方でゲームをする実験をしてきた結果、「今、こういう上がりをしたから、次回はこうなる」とか「こういうミスはのちのち響く」みたいなことはないんだ、って考えているよ。

――どんな配牌がくるか、どんな牌を持ってくるかは、すべてはランダムで、意味はないっていう考え方だね。

ライアン:うん。でもね、「流れ」というものを感じてしまうのも、人間の脳の構造として仕方がないことなんだよ。人間の脳は原因と結果、という因果関係を結び付けたがるんだ。というのも当たり前の話で、人間は原始時代から「この食べ物を食べたら、お腹が痛くなる」といった原因と結果を知ることで、危険を回避してきた。だから、ランダムってことを脳は理解できない、と僕は考えているんだ。

――ははあ。それはもしかしたら人間のみならず、生物の脳ってもの全般がそうできているのかもしれないね。

ライアン:だから、「あそこでミスをした。だから今回の配牌は悪いんだ」っていうストーリーを後付けでつくってしまいがちなんだ。これは、実はいくらでもあてはめられることで、反論ができない。反論ができないっていうことは、非科学的であるっていうことの証拠でもあるけどね。

――まさか、麻雀の話から脳の構造を考えることに至るとは思わなかったよ(笑)。でも、それだけライアンが真剣に麻雀のことを考えているっていうことだね。しかし、こんな話をアメリカ人と、一切英語を使わずに歌舞伎町の喫茶店でしてるっていうのも、信じられないけどね(笑)。 <取材・文/織田曜一郎(本誌)>




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