「代表作を残したい」40代でも夢を追う社長
―[最近の40代は子供っぽ過ぎる!]―
いつまでも変わらない今ドキの40歳の日常とは?
◆ある会社社長の場合「代表作を残したい」
従業員12人の設備会社社長で、景気は決してよくないというが、給排水や空調の設計からメンテナンスまで手がける会社は順調。
こう聞けば、40歳相応どころか、生活も人生も”安定期”に突入。人も羨む順風満帆さだが、牛山博喜さん(42歳)自身は決して満足はしていない。なぜなら、それは”代表作”がないから。
「生まれてきたからには、何かを残したいじゃないですか」
牛山さんが人前に立つ快感を覚えたのは、小学校3年生のときに、学芸会で主役に抜擢されたのがきっかけ。高校時代には、社会人のアングラ劇団に所属。劇中音楽を作るうちに、音楽のおもしろさを知り、ミュージシャンを目指す。高校卒業後、便利屋や探偵、貸倉庫業などでお金を貯め、音楽修業に単身渡英したりもした。
が、食ってくためにと、帰国後就いたのは配管業。10年前に独立し、「今の仕事も形が残る仕事ではある」が、夢は捨てきれないのだ。結成して6年になるバンドは、今も年1回のライブを行っている。有名ミュージシャンのバックバンドを務めているメンバーもいるが、今から、このバンドで目が出るのは難しい。しかし、役者だったら、可能性はある。
また自分には昔から絶対的な自信を持っていた”声”がある。声は年齢と関係なく武器になる。アテレコやナレーションという道もある。
「ドラマ『白い巨塔』で大河内教授を演じた品川徹さんは、舞台役者として活動されていて、このドラマで一気に注目を集めた。役者は、いつ花開くかわからないから」
現在は、劇団のオーディションを受けるなどし、舞台に出演。今年はすでに3本の作品に出た。一旦、舞台への出演が決まれば、千秋楽まで稽古期間も含め、2か月は芝居漬けで、社長業は休業。当然、無名の客演にギャラはない。
「中身は何も変わっとらんのに、年だけ重ねちゃってさ。何やってたの?って感じですよ(笑)」
― 最近の40代は子供っぽ過ぎる!【2】 ―
―[最近の40代は子供っぽ過ぎる!]―
【関連キーワードから記事を探す】
「少額でもとにかく早く始めたほうがいい」40代が“初めての資産運用”で失敗しない方法
47歳の元パチプロ「破滅の始まり」を語る。高校中退してパチプロになるまで
43歳アルバイト、年収250万円男性の苦悩「恥ずかしくて友達には会えない」
新卒での就活失敗を今も引きずる40代非正規雇用者「世帯年収は260万…娘の進学希望も叶えられない」
「40代でも、スムーズに幸せな結婚ができる男性」に実は共通している特徴
劇作家・鴻上尚史が「日本人には『芝居』が足りない」というワケ
毎年恒例、七味五悦三会で、今年を振り返る/鴻上尚史
母の入院先からの連絡、別れの後にやってきた現実/鴻上尚史
「ハルシオン・デイズ」タイトルの意味と、作中のメタファー/鴻上尚史
今までで一番響いた「初日、おめでとうございます」という開演前の挨拶/鴻上尚史