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「傷害」検挙人員30代が1位なのは、20代の「草食化」が原因?

果たして、30代は凶暴化しているのか?(2)
30代が1位なのは、20代の「草食化」が原因

世代別「傷害」の検挙人員

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数年前から極端な変化を見せている未成年と20代の傷害件数。「以前は未成年と
20代で傷害の過半数以上を占めていたのに、ここ数年でその割合は減少し。
これも若者の草食化を顕著に表していますね」と河合氏


(注)
本特集のデータは警察庁発表の「平成20年の犯罪」を基に、一部「平成21年の犯罪情勢」の最新データを加え、SPA!編集部が年齢区分を世代別に変更して作成した

 確かに、上の傷害のグラフを見ても、20代以下の犯罪が激減しているような印象がある。これは「若者の草食化」がひとつの原因ではないかと河合氏は指摘する。

「『殴る・盗む』など外での犯罪が減る一方で、サイバー犯罪のような室内の犯罪は増えています。また、昔は『警察=怖いモノ』でしたが、30代以下の人は警察を怖がらない。数年前の意識調査で『警察は怖くない』と言う20代が急増して驚きましたが、当時の世代が現在の30代。警察の権威が失墜しているからこそ、30代の公務執行妨害が増加しているのでは

 草食とはいえ、権威を怖がらないとはある意味、脅威だ。また、浜井氏は犯罪減少のさらなる要因に「少子高齢化」を挙げる。

「少子高齢化で若者の数が減少し、検挙数も減りました。おかげで日本の殺人数は世界最小ですが、一方で40代以降の犯罪が減らない。この現象は先進国では日本ぐらいのものです。20世紀にヨーロッパは高齢化に備えセーフティネットを整備したのに、日本は放置し、貧困層が拡大。その結果ですよ」

 草食化する未成年と20代。生活苦からの犯罪を起こす40代以上。現在の30代は、犯罪でもハザマの世代といえるのかも。

浜井浩一氏
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’60年生まれ。龍谷大学大学院法務研究科教授。緻密な犯罪統計に基づいた研究を多数発表。著書に『犯罪統計入門』など多数


河合幹雄氏
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’60年生まれ。桐蔭横浜大学法学部教授。法社会学の見地から日本の犯罪を研究。著書に『安全神話崩壊のパラドックス』など多数

取材・文/黒田知道 高島昌俊 藤村はるな 丸二祐亮 
撮影/山川修一(本誌) イラスト/清野とおる
― 30代は[逮捕]の危険年齢【8】 ―

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