リアルすぎるホームレスの名言・珍言セレクション【後編】
筆者がホームレスを取材し始めたのはかれこれ15年ほど前。【前編】では取材で出会ったホームレスのおっさんたちが、筆者、そしてホームレス取材をやらせたら右に出る者はいないと言われる、ライターの村田らむ氏の胸に打ち込んだ珠玉の名言、珍言を紹介した。
⇒【前編】はこちら https://nikkan-spa.jp/239930
【後編】では、ホームレスに“付随する”という言い方は変かもしれないが、その周辺の方々に話を聞いていると、これまたおかしなことを言う人も多い。そんな発言を集めてみた。
【ホームレスではない人々の名言・珍言も……】
夏
◆「皆さん! 暑いですか? 地獄はもっと暑いのです!」
冬
◆「皆さん! 寒いですか? 地獄はもっと寒いのです!」
東京の公園で行われていたキリスト教系の団体が主催する炊き出し。配給が始まる前に1時間以上も説教を聞かなければならず、ホームレスたちからは「アーメン(キリスト教系のホームレス支援団体のこと)は話がなげぇんだよ」と、あまり評判がよろしくない。
うだるような夏場にホームレスたちが汗をダラダラ流しながら説教を聞いていたのだが、その際に言ったのがこの「皆さん! 暑いですか? 地獄はもっと暑いのです!」という一言。冗談のような話だが、その数か月後の12月、ガチガチと震えるホームレスたちに向けて言ったのが「皆さん! 寒いですか? 地獄はもっと寒いのです!」という一言。
マイク片手に説教してる牧師と思しきヤツが、サンタじゃなくてサタンに見えたのはホームレスだけではなかった。
◆「覚醒剤などが売られておりますが、絶対に買わないようにしてください」
◆「そんな格好していたら、私服(刑事)と間違えられますよ」
関西某地区で取材をする際、警察署のおまわりに話を聞いた際に言われた一撃。そこは有名な覚醒剤の密売スポットであり、路上だけでなくおでんの屋台やドヤのカウンターで売られていたこともあるくらい。実際、この話を聞いた夜、警察署裏を歩いていると「あるよ~、あるよ~」と声をかけられ、まさか警察署の横で覚醒剤が買えるとは……と衝撃を受けることに。
また、非常に労働者と警察の仲が悪い土地であるため、制服姿でパトロールをすると意味もなく揉め事に発展してしまうことが多々あるという。そのため、警察官もその辺の事情を配慮してジーンズや作業着などを着てパトロールをするのである。この日、筆者と村田氏はジーンズにTシャツという出で立ちだったのだが、その格好がもろに警察官の格好と被ると指摘されたわけである。
◆「最近、便器に注射器を捨てる方がおられ、トイレの詰まりの原因になっております。今後も続きますと、皆様のトイレのご利用を禁止せざるを得なくなりますので、絶対にお止めください」
これは言われたことではなく、関西某所の某コンビニエンスストアのトイレに貼られていたもの。最近ではけっこう有名な張り紙だが、初めて見た時の衝撃と言ったら……。本当に困るからやめてくださいね。
◆「初顔ですね。あの……路上の方ですか?」
ホームレス取材をしている際に、ボランティアの方からよく“あっち側”だと間違えられることがある。この時も、おっちゃんと酒を飲んでいたら、路上生活者を支援するボランティア団体の人が見回りに来て、新顔の筆者を見てホームレスと間違えたのであった。そんなに馴染んでたのかねぇ……。
◆「残したら地獄に落ちますよ」
とあるキリスト教系団体主催の炊き出しで、どんなものが出されているのか気になったので話を聞いたところ、じゃあ食べてみては?と勧められた。その日のメニューは、にゅうめんと二色丼(しば漬けときゅうりの漬け物を乗っけたご飯)。だが、これが想像を超える不味さで、食った瞬間に吐きそうになってしまった。適当に食べたフリをして横に置き、話を聞いて立ち去ろうとしたところ鬼のような形相で言われたのがこの一言。小学校の頃、給食が食べられなくて居残りさせられた過去を思い出し、一目散に逃亡。地獄に落ちるでしょうか……。 <文/テポドン(本誌) 協力/村田らむ>
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