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新鋭の女流怪談師・牛抱せん夏が恐ろしい…

牛抱せん夏

巧みな台詞回し、豊かな表情は役者経験から。「リアルホラーアクトレス」という称号にも納得

 夏といえば怪談、怪談といえば稲川淳二……というイメージは多くの人がお持ちだろうが、最近は新世代の怪談師も続々と登場している。中でも牛抱せん夏(うしだき せんか)さんは、業界でも珍しい女流怪談師として注目を集めている。

 彼女は、稲川淳二氏が審査委員長を務める『怪談グランプリ2010』の優勝者で、いわば稲川イズムの継承者と言える存在。今年の『怪談グランプリ2012』(関西テレビにて8月5日深夜0時50分~2時20分放送)にも出演し、2度目の「最恐怪談師」の座を目指す。

 今回は彼女が浅草で定期開催している怪談会『せん夏怪談~華の章~第五夜』に潜入! 当日はオカルト研究家・山口敏太郎氏、艶歌シャンソニエ家元・ひと:みちゃんもゲスト出演し、会場の雷門区民館は超満員となった。

 会場の照明が落とされ、イベントが始まるのを待っていると、いきなりのサプライズが。彼女はお客さんが眺めるステージとは正反対の、会場の最後部からひっそりと入場。恐怖にかられて江戸の街を逃げ回る男性の話を、その男性になりきった状態で、唐突に話し始めた。

 観客が混乱状態に置かれたまま、物語は次々と展開。彼女の話しぶりも、だんだんとヒートアップしていく。そして物語が衝撃のラストを迎えたかと思うと、「これは私が退行催眠で見た前世の記憶なんです」と、突如として素の状態に戻った彼女が告白。あまりのスピード感と物語の不気味さに、会場は恐怖と静寂に包まれた。

 実は牛抱せん夏さん、女優としても哀川翔主演の映画『デコトラの鷲』シリーズなどに出演してきた経歴の持ち主。そのため怪談のスタイルも、役者の経験を生かした巧妙なセリフ回しや、身振り手振り・表情の変化などに富んだものとなっており、ストーリー性や人物描写に重みを置いた語り方が特徴なのだ。

 その後も彼女は、テレビ番組のロケで墓地に訪れた際、赤子を抱えた母親の心霊がロケバスに取り憑いたエピソードなどを、迫力の話しぶりで披露。その合間には、「この会場にも……見えますね。あのカーテンの近くとか。いつもは生首のお客さんが、ちょうどこのあたりにいるんですが……」と唐突に告白するなど、最初から最後まで、開場を凍りつかせっぱなしで怪談会は終了となった。

 なお、彼女の『せん夏怪談』の千秋楽は、9月1日の夜に浅草花やしきを貸しきって行われる。一緒に花やしきのお化け屋敷も楽しむことができるので、夏の終わりに背筋の凍る体験をしたい方は、ぜひとも会場へ。

牛抱せん夏●『せん夏怪談』~華の章~千秋楽
日時:9月1日(土)
会場:浅草花やしき(東京都台東区浅草2-28-1)
出演:牛抱せん夏ほか
開場:18時30分 開演:19時30分(お化け屋敷のアトラクション体験は19時20分までにお済ませください)
料金:2800円(当日)、2500円(前売り)
前売り予約はtokushima5566@yahoo.co.jpまで
※前売り予約での入場者には特典(牛抱せん夏グッズ)あり

取材・文・撮影/古澤誠一郎

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