実は楽勝!?「議員になる」のはリアリティのある話
2011年4月、統一地方選挙が行われる。議員というと、ハードルが高い感じもするが、実は立候補さえすれば、ほとんど当選するとの情報を入手。ならば、立候補するまでと選挙戦の戦い方、その仕事内容に注目してみた!
4年に一度、開かれる統一地方選挙。ここで、都道府県の知事、市区町村の首長、議員が決まることになっており、次回選挙は’11年の4月と迫っている。
「自分は一サラリーマンだし、政治家なんて別世界の話」と考える読者もいると思うが、少し待ってほしい。NPO法人ドットジェイピー(若年投票率向上を目的に、大学生を対象とした議員インターンシッププログラムを運営)の調査によると、全国の地方自治体(市区町村)の前回選挙時の平均倍率は、1.21倍で、実に82.6%の確率で当選しているのだ。最も当選倍率が高い福岡県福智町で1.95倍、最も低い佐賀県江北町は、1倍(候補者全員が当選の無投票選挙)となっており、もはや立候補すれば、ほとんど議員になれる状況なのだ。どうだろう、「政治家なんて……」と思っていた人も、現実味のある話に見えてくると思う。
では、気になる収入はいくらかというと、平均月額報酬は30万4818円。年齢や当選回数は関係なく一律で、これに、期末手当(一般サラリーマンのボーナスにあたる)が加わる。ただし、地方自治体により差も大きく、高額上位だと神奈川県横浜市の97万円、東京都渋谷区で60万5000円、低額なところだと長野県平谷村の8万4800円となっている。いくつかの自治体の報酬を下に挙げてみたので見てほしい。これを高いとみるか、低いとみるかは、分かれるところ。
しかしなぜ、地方議員という職が、こんなにも低い倍率なのか? ドットジェイピーの理事長で、『”20代、コネなし”が市議会議員になる方法』の著者、佐藤大吾氏は、その現状を「立候補する人も投票する人も高齢者がほとんど。選挙に参加する人が固定化されているんです。人口の構成比でいうと、全有権者の15%が20代なのに、議会には20代の議員はほとんどいません」と語る。
新卒者や転職希望者の就職難が叫ばれる今、ならばと若手が立ち上がり、「地方から日本を元気にしたい」と職業の選択肢に「議員」を入れてみるのもひとつの手だ。
そこで、カネもコネもないサラリーマンが、地方議員になる方法と地方議員という職業の仕事内容、その生活について迫ってみたい。
報酬額は、沖縄県渡嘉敷村で9万4000円と同じ県でも自治体により開きが。また、ここから所得税や議員年金などが引かれ、そこから国民年金・健康保険を支払う ※’08年度の各自治体決算カードより(総務省)
◆当選までのスケジュール
【政治活動期間】
投票日の5~6か月前
・自分の立候補地を決める
・選挙の傾向と対策をリサーチ
・政治団体としての登録をする(できれば後援会もつくる)
・家族、友人などの理解・応援を取り付ける
・議員になって何をしたいのか、自己分析と主張を決める
・ビラ・チラシを作る
・名簿を集める
・立候補のための供託金(政令指定都市は50万円、それ以外は30万円、町村議会は必要なし)と活動軍資金を貯める
3~4か月前
・ビラ・チラシを配る(ポスティングや街頭で)
・朝夕、駅や街頭に立つ
・ミニ集会を開き、もしくは呼んでもらい、地元の声を聞き、自分の考えを知ってもらう
・ブログの立ち上げやツイッターなどネットを活用する
・選挙ポスターを作製する
2か月前
・街宣車の手配、ボランティアの確保など選挙活動の準備をする
・有権者へ電話をかける
1か月前
・選挙事務所を決める
・ポスターやたすき、のぼり、マイク、白手袋などモノを揃える
・選挙はがきを準備する
【選挙活動期間】
7~9日前
・立候補届を提出する
・出陣式をする
・ポスターを貼り、はがきを郵送する
・街宣車や自転車で街を回る
・有権者に電話をかける
投票日
・投票に行く
・まだ選挙に行っていない人に「追い出し電話」をかける
・開票に立ち会う
当選
わからないことがあれば、選挙管理委員会へ行こう
◆とある議員の一日のスケジュール
朝
6:30 起床・朝食・身支度
7:00 メールチェック
7:30~8:30 駅立ち(駅で演説・ビラ配り)
9:00 ブログの更新
10:00 役所にて資料整理・作成、ミーティング
昼
12:00 昼食
13:00~17:00 本会議(議会にて質問をする)
17:00 地元の会合に顔を出し、懇談
18:00 市政報告書や資料などの作成
夜
20:00 自治体関係者と打ち合わせ・会食
22:00 チラシ印刷
24:00 メール配信
25:00 就寝
― 実は楽勝![市・区議会議員]当選ガイド【1】 ―
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