2011年[使える手帳]最新トレンド【その5】
新時代の手帳の姿とは?
現在のニーズとトレンド。手帳ブームの今後を予想!
現在の手帳業界にはどのようなトレンドがあるのか。
まずは有名人プロデュース系だが、前出の館神氏は”神社系手帳”とユニークな造語で呼ぶ。
「有名人の名を冠し、そのイメージを利用する。それで成立している点と、武勲を挙げた人物を祭る神社にあやかる感じとが似ているんです。構造や記入欄にその人物ならではの時間哲学が反映されていて、”同じように時間を有効に使えるようになる=成功する”というイメージを抱かせることができるのが、ウケている要因でしょう」
いいとこ取りで人気の”輸入品風国産手帳”
一方、輸入品風デザインの国産手帳も注目を集めているそう。
「『ラコニック』や『エトランジェディコスタリカ』といった国内の文具メーカーの製品は、一見すると外国製のようにスタイリッシュなデザインが特徴。曜日の表記が4か国語で書かれていたり、六曜や元号の表記がなかったり、国内の主要都市だけでなく、ニューヨーク、ロンドン、パリなどの地下鉄図も載っていたりします」
日本の雑貨メーカーが手掛けるというその”輸入品風国産手帳”が受け入れられたポイントは?
「『モレスキン』などの外国製のももちろん人気ですが、罫線が太かったり、罫の幅が狭すぎたりと感じる人もいるようです。その点”輸入品風国産手帳”は、繊細さがあって日本人好みの機能性を備えていますからね。要するに外国製と日本製のいいとこ取りなんです」
ユーザーのニーズに応じ進化のベクトルは多岐に
トレンドとは多くの人が持つ要望に沿っていくものだが、近年のユーザーにはどんなこだわりが?
「手帳に書き込む要素の量がどんどん増えていっています。何を食べたか、どんな本を読んだかなど、予定やタスクの管理以外にも使われるようになってきましたね。ライブログを残すツールとして活用する人が増えている印象です」
自分に合った手帳のツールやテクニックを、とことん極めようという人も増加しているとか。
「何色ものペンで書き分けたり、グラフを使ったり。独自の使いこなしで、いくつもの役割を持たせるようになっています。ある意味パソコンのような多機能な道具になっているのです」
機能を”深掘り”したい、そのニーズに応えるように独自進化を遂げた手帳もお目見えしている。
「マンガ版”神社系手帳”ともいえる『北斗の拳』のキャラモチーフ手帳や、スマートフォンと併用することを想定したかのように書くことに特化させた超シンプル手帳『PLAYOFF』など、進化のベクトルは多岐にわたります」
ブームに煽られ、今や手帳周辺グッズもバリエーション豊富だ。
「ペンホルダー付きのバンドや、付箋が付属した蛍光ペンなどは、手帳へのカスタマイズ欲から需要が生まれた商品といえますね」
とはいってもスマホで十分、手帳の代替が可能な時代。今後、手帳のニーズは減少していく?
「いえ、私は10年後でも手帳のニーズはあると考えています。起動ゼロ秒、電池不要、機能拡張は無限大。これが電子機器にはない紙の手帳の強みであり、このお手軽感のアドバンテージは実はかなり大きい」
ブームはまだまだ続きそうだ。
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