東京の地下に張り巡らされる要人専用通路に迫る
無数に存在する地下に関する都市伝説。陰謀、探検、秘密列車……。見えないからこそ興味はつきない。そんな地下の秘密を探るとともに、誰もが他人事ではない、「リアルな地下の恐怖」に追る!
【疑惑の地下施設】
◆東京の地下に張り巡らされる要人専用通路
「東京の地下には政府関係者や財界の大物が使う、秘密通路が存在する」
いつからか流布されてきたこの “都市伝説”は本当なのか。
「地下通路は確かに存在します。例えば、国会議事堂などです」
そう話すのは、東京の地下事情に詳しい作家の秋庭俊氏だ。
「その起源は江戸時代に遡ります。徳川幕府は地上に大規模な水道設備を造り、その上に石や土を積み上げ、新たに地面を造りました。つまり、現代の我々が地上と呼ぶ場所は実は地上2階で、本当の地面は地下にあるのです」
そして、当時の下水道施設が、秘密通路などに転用されたという。
「その通路は赤絨毯が敷かれ、国会議事堂の地下から参議院・衆議院の両議員会館を経由し、九段の議員宿舎まで繋がっています。もちろん、利用できるのは政治家と官僚だけ。衛視がチェックしています」
この地下通路は車も走れ、「某政治家の秘書いわく、深夜0時すぎには大渋滞する」(秋庭氏)という。
また、都内各所の某ホテルチェーンにも秘密通路があるらしい。
「そのホテルは旧華族のお屋敷跡地に建てられたものばかりで、こうした屋敷にも秘密通路があったのです。今でもその名残を見られる場所があります。実は新宿にあるホテルの地下駐車場は新宿サブナード地下駐車場と繋がっていて、深夜0時をすぎてシャッターが閉まっても、新宿アドホックビル側入り口から徒歩で地下を通り、この駐車場まで行けます」
ご宿泊の際には、お試しあれ。
国会地下通路の入り口(左)と延々と延びる通路内(右)。非常時の避難用とされているが、床には立派な赤絨毯
【秋庭 俊氏】
東京の地下に関する執筆活動を行う。著書に『帝都東京・隠された地下網の秘密』など
写真提供/秋庭 俊氏
― [ニッポンの地下世界]のヤバい秘密【1】 ―
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