雑学

高齢者や障害者の個人情報を区民へ提供! 犯罪の温床にはならないの?

“海岸で夕日を眺めながらお酒を飲んだら過料徴収”されるかもしれなかったり、”ポイ捨てしただけで広報誌に名前を掲載”される可能性があるといった、おかしなルールを過去2回にわたって報告してきた本連載企画。3回目となる今回も、読者からの報告を含め、”首を傾げたくなる”法律や条例の是非を問う!

対象>>>【高齢者や障害者】
高齢者や障害者の個人情報を区民へ提供する!?


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「これって簡単に強盗などの犯罪に利用されてしまうのでは?」とSPA!読者から投稿されたのが、東京都中野区の「地域支えあいネットワーク推進条例」(仮)だ。

 年度内の成立を目指しているというこの条例は、中野区に暮らす70歳以上の単身、75歳以上の高齢者のみで構成される世帯にある高齢者、または障害者の「氏名」「住所」「年齢」「性別」という4つの個人情報を、本人が開示を拒否しない限り、同区民に提供するというものだ。

 なぜ、そのような個人情報を提供する必要があるのか? 中野区役所に問い合わせたところ、

「’04年度から、支援を希望する高齢者を区民が見守る活動を推進してきました。その見守りの輪を強固にするのが目的」だという。トラブルを避けるため、最初は地域支援活動をする区民にだけ情報開示するというが……。

「先の尖閣諸島のビデオ流出問題を見てもそうですが、情報というのは必ずといっていいほど”漏れる”ことを想定して対策を立てる必要があります。情報を提供するのは『町会や自治会の役員など』となってますが、その基準は曖昧で人数も相当数になることから、漏れる可能性は高いです。考えが甘いのでは?」(『へんなほうりつ』の著者、のり・たまみ夫妻)

 なお漏洩した場合、10万円以下の罰則を付ける方向だという。その額を見ても軽く考えているとしか思えないのだが……。

「高齢者保護というのが目的にありながらプライバシーが明らかになることにより、結果、犯罪の温床になる可能性も。失われる利益が重大すぎます」(角田氏)

 犯罪者からの保護を第一に!

のり・たまみ夫妻
『へんなほうりつ』著者
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夫婦のフリーライターユニット。世界10か国に滞在するなかで各国の法律に興味を持ち、独学で学ぶ。『へんなほうりつ』(小社刊)など、法律関連の著書多数

角田龍平氏
元芸人弁護士
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コンビ解散後弁護士に。現在『サンデージャポン』(TBS系)出演。『角田龍平のオールナイトニッポンポッドキャスト』(ニッポン放送)も好評配信中

イラスト/テラムラリョウ
― おかしなルール報告書 Vol.3【2】 ―

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