大手代理店を辞めた理由「上司に無視された」
昨今、学校内でのイジメやブラック企業の労働環境が社会問題化している。しかし、出世競争や駆け引き、ライバル同士の足の引っ張り合いなど、実はブラック企業以上に一流企業では悪質なイジメが横行していた。エリート社員ならではの“頭を使った”イジメの実態と、それが起きる背景を探った
◆プレゼンも企画書もダメ出しと完全否定の連続。きっかけはSNS……
イジメリーダーからの被害を告白するのは、広告業界の大手企業に勤務していた井川彰氏(仮名・29歳)だ。
「きっかけはフェイスブック。友人と共有しようとアップしたプライベート写真を上司が見て『俺が仕事をしているのに、なんでコイツは飲み歩いているんだ!』と、反感を買ったんです。今思えば、制限ユーザーにしておけばよかったのですが……」
これが運の尽きで、翌日からは幼稚なイジメのオンパレード。
「まずは徹底無視。業務連絡さえもシカト。部下には、僕の悪口を一斉メールして、フェイスブックやツイッターからフォローを外すように指示していたようです。さらに、会議では僕の企画を全否定。プレゼンでも、話している最中に遮って無茶な質問をしてきては、答えに戸惑うと『毎晩、飲み歩いているから答えられねぇんだ!』と罵声を浴びせられた。プロジェクトのccメールからも外され、のけものにされました」
耐えきれなくなった井川氏は、数か月後に転職先を見つけ、退職。
「でも、転職先は前よりも格下の企業……。もちろん給料も大幅ダウンですよ。幼稚なイジメをした上司はというと、僕がいなくなって目的を達成したからか、『仲直りしよう』とメールが届いたんです。許せるわけないですよ(怒)」
イラスト/サダ
― 一流企業の[悪魔的頭脳派イジメ]の実態【4】 ―
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