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放射性物質「ラドン」を放出するウラン残土が野積みに

「福島の除染作業から排出される放射能汚染土の最終処分場の最有力候補が、鹿児島県の南大隅町である!」というニュースが8月23日の夕方、突然報道された。その2日後、25日に南大隅町役場にて「南おおすみの自然を守る会:以下、守る会」による反対集会が開催された。しかしこのような「核のゴミ」問題は原発事故以前からも全国に拡散していた。各地で「核のゴミ」によって引き起こされている問題に迫る。

◆原発事故以前からも全国に拡散していた!各地に散らばる放射能

※写真はイメージです

 岡山県と鳥取県にまたがる人形峠では、’59年から原子燃料公社(のちの「動力炉・核燃料開発事業団=動燃」。現在の「日本原子力研究開発機構」)によるウラン採掘が始まった。国産ウランによる原子力開発には大きな期待が寄せられたが、いざ採掘したウラン鉱石は低品質で採算に合わないため10年で閉山となる。

 その10年間の代償は地元住民には酷かった。採掘に携わった1000人強の坑内労働者の少なからぬ人が体調を崩し、京都大学原子炉実験所の小出裕章氏は「このうち65人が肺ガンで死亡した」と推計している。

 ウラン鉱床には、ウランの崩壊の過程で出てくる気体の放射性物質「ラドン」が存在する。これを、マスク着用の指導も受けなかった労働者たちが吸引したのだ。

 動燃は、採掘の過程で出たウラン残土をそのまま野積みした。すると、その現場の風下になる鳥取県の方面地区(人口約100人)でも11人がガンで死亡した。そして、このウラン残土は今も約49万立法メートルもが人形峠周辺の約20か所で野積みされたままなのだ。

 その一つである中津河堆積場は、覆土されてはいるが、’09年末時点でも放射線量は最大で毎時0.3μSvを記録した。年間だと約3mSv。年間1mSvを超える。低レベル放射性廃棄物は「原子炉等規制法」で厳重保管を定められているが、それが遵守されないのは同法の対象外だからだ。

 前出の小出氏はこう語る。

「ラドンは通常の空気には1立法メートルあたり10Bq程度存在します。法令では、坑道などでは3000Bq以下、一般居住区域に流す場合には20Bq以下と定めていますが、人形峠の坑口でのラドン濃度は最大で10万Bqもありました」

 ウランの半減期は45億年。人形峠のウラン残土が野積みされた現場では、今も微量ながらラドンガスが放出されている。

― 全国に拡散する行き場のない「核のゴミ」【1】 ―

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