チマチマしたコストカットは会社を救わない
5年先まで生き残れる会社と、生き残れない会社の違いとは、一体何なのだろうか。ダメになりやすい会社の共通点を、産業構造、企業風土、財務状況などの観点から探っていく。あなたの会社は大丈夫だろうか?
◆大ナタをふるわずちまちまコスト削減
コスト管理のバランスが悪いのも、悪い経営者の特徴だ。
「瑣末なコストカットはラクなので、嬉々としてやるんですよ。コーヒーメーカーやフロアマットを撤去するとか(笑)。一方、行動経費の管理はユルユルで、いまだにタクシーやバイク便が自由に使えたり、気軽に出張に行けたりする。禁止して社員に文句を言われるのがイヤなんですね。社員も会社の雰囲気に乗じて金銭感覚が麻痺してしまい、2日間しか使わないレンタカーを“念のため”に1週間借りるなど、プライベートでは絶対にやらないようなことをやらかすようになる。こうしたムダ遣いは当然経営を圧迫します」(事業再生のスペシャリスト島出純次氏)
ある会社では、従業員の満足度調査を行うために、コンサルティング会社を使おうとしていたという。島出氏が「10人ずつ呼んでランチでもすればいいのでは?」と提案すると、あからさまに消極的な反応が返ってきたとか……。かように、対話を嫌う経営者は多い。社長から飲みに誘われて「ウザい」と思っている人! あなたは恵まれているかもしれないのだ。
【島出純次氏】
企業再建のスペシャリスト。慢性的な営業赤字に陥っていた老舗企業にて常勤取締役を務め、黒字転換および4年連続で成長させた
イラスト/もりいくすお
― [5年以内に消える会社]の判断基準【5】 ―
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