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“ゆとりキャバ嬢”急増の怪

キャバ嬢 世のキャバクラ好きの男は大きく2つの流派に分けられる。シュート派とエンタ派の2つだ。同じ店に週2、3のペースで通い、指名嬢をオトすために物量攻勢に出る前者と、「キャバクラは男子会の延長、テーブルトークで盛り上がったもん勝ち」とばかりに、楽しい飲み会作りに血道を上げる後者の2つだ。

 ちなみに記者はエンタ派を自任。とはいえ、常に道化を演じているわけではない。プロレス的テーブルトークに興じつつも、「いつでもガチで戦う用意はできてるんだぜ」と、藤原喜明もかくやのシュートサインをちらつかせることに余念はない……のだが、ここ数年のキャバクラ遊びで気づいたことが一つある。色恋トークで気持ちよくさせてくれるコが少なくなったように感じるのだ。その疑問に対して、都内の某キャバクラグループの幹部であるO氏(33歳)は次のように語る。

「接客中に色恋の臭いを漂わせて、小悪魔的に客を籠絡するコは、確実に減っています。年齢でいえば、20代前半のコはほとんどそう。よくいえば自然体でウソがないんだけど、やっぱりお客さんにしてみれば物足りないですよね」

 シュート派であれエンタ派であれ、キャバクラ遊びを楽しめるかどうかは女のコの技量にかかっている。“やらずぼったくり”とも揶揄されるキャバ嬢の営業トーク。気のきいたことを言わない限り、散財してくれるシュート派はいないし、色恋話をプロレス的に楽しみたいのはエンタ派も同じ。悲しい話だが、「ウソだとわかっていても楽しませてほしい」というのが男の本音なのだ。

「ウチのグループも、若いコに指名客がつかないから、最近はわざわざ勉強会を開く始末ですよ。『褒めまくって、自分が客のことをタイプだって、とにかく言え』って。そしたら22歳のキャストが『え~、そんなの古いですよ。ウソだってバレバレじゃないですか』とかぬかすんです。じゃあどんなトークしてんだって聞けば、趣味とかテレビタレントの話っていうからアホかと。一回りも下の女と世間話して楽しい男がどこにいるのかって話ですよ」(同前)

 O氏の勉強会では、「客の話に相づちを打つときは笑いながら軽くボディタッチをする/ウケて爆笑するときには抱きつく勢いで」などを“最低限押さえるマニュアル”として説明しているというが、それってわざわざマニュアル化することなのか? 「私がこんなババアになっても指名を取れるのは、ガッツのある若いコがいないから」と語るのは、歌舞伎町『P』店のナンバーワン・ユナ嬢(29歳)。

「顔は可愛いんだけど、ニコニコして座ってるだけで、気のきいたことも言えない、プロ意識の少ないコは確実に増えましたね。私らの世代ではそういったコたちのことを“ゆとりキャバ嬢”って呼んでます。違いはやっぱりトークの差……ですかね? たとえばお客さんの趣味の話に『そうなんですか、凄いですね』って延々とその趣味の魅力を質問するのは、ただただ話相手になってるってだけで、キャバ嬢として失格なんです。『面白そう、私もできるかなぁ』って、“あわよくば誘えるかも”って思わせないとダメ。そもそもお客さんが高いお金を使ってくれるのは、“ダマされてると感じていても”その場が楽しいと思ってくれてるからじゃないですか」

 前出のO氏は、こうした“ゆとりキャバ嬢”が増えた理由について、こう考察する。

「『キャバ嬢は思わせぶりなトークをするもの』って認識が当たり前になりすぎたせいじゃないかと。『合コン感覚で自然に接したほうが、誠実でいいハズ』なんて思うのかもしれないけど、店にしてみれば、それは職務放棄なんです。ウソをつくのも思わせぶりに接するのも、決してラクなことではないし、みんな心身をすり減らして働いているわけですから」

「真面目に誠実に」は幻想を売る商売としてはマイナスってことだ。確かに、わざわざ高い金払って、脈のない合コンをしても仕方がないわな……ってわけで、若いキャバ嬢の皆さん、ウソでもいいから気持ちのいい酒を飲ませてください。 <取材・文/スギナミ>




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