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岩手弾丸バスツアー お手軽な半面、”お客意識”も

 このGW、旅行会社主催の被災地ツアーが大人気。参加者の多くは、ボランティア初心者の首都圏サラリーマンだという。お値段約2万円の、1泊4日(2日バス泊)の弾丸ツアーに参加してきた。

 早朝に岩手県北東部の沿岸にある野田村に到着。あまり知られていないが、壊滅的な打撃を受けた地域だ。最初の作業は、持ち主のわからない写真整理。「ニュースを見て、居ても立ってもいられなかった」と抱負を語っていた参加者が場を仕切りだす。だが、要領を掴めずに、さほど進まないまま昼食に。不完全燃焼といった空気が漂う。

 午後も引き続き写真整理。しかし、仕切り屋一味が消えた。いつのまにか別の場所で支援物資の整理をしていたらしい。現地の方いわく、「彼らから『こっちの仕事をやりたい』と言ってきました」とか。人手不足もあり、作業は中途半端に終了を迎えた。

 夜、宿泊施設で風呂と夕食を済ませ、寝る準備をしていたら、フロントの階が騒がしい。バスの添乗員が「工事の仕事で来ている方がたまに夜に宴会を開く」と言っていたことを思い出したが、あまりにうるさいので見に行くことに。

「さぁ、飲みましょう!」

 顔を赤くした男性にお酒を勧められる。お酒を飲んでいたのは、作業員ではなくツアー参加者だった。作業中に撮った写真や動画を酒の肴に盛り上がる。施設に入浴に来た村民は、その光景を見て「でも、来ていただいているだけでありがたいですから……」と語った。野田村は被害の度合いに比べて報道が少なく、一般ボランティアの数も足りていない。こうしたツアーで、大量の参加者が作業をし、さらにお金を落としていくことのニーズはあるかもしれない。

 翌日は東北各地から個人で来ている人が集うチームと、ツアーチーム合同で道の側溝の泥かき作業に。これが想像以上にハード。しばらく黙々と働いていたところ、ツアーチームの一部が「俺を撮って!」と写メを撮り合い始めた。別のツアー参加者も、「感想をどうぞ!」と動画インタビューを開始する始末。積極的に作業しているとはいえ、お金を払っているというお客意識があるのか、被災地ではKYな言動が少々目立った。

「いい汗かきましたね!」

 満面の笑みを浮かべる被災地ツアーチーム。その顔をカメラでパシャリと撮っていたのは言うまでもない。

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津波で流された写真につく泥を水で洗い落とし、展示する

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夕方から始まった宴は、結局2時間以上も続いた




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