五輪ボランティアのために東京移住した男性。都市生活に馴染んだ今…
新型コロナ(COVID-19)の世界的な流行により、延期が決まった東京2020オリンピック。開催のちょうど4か月前での延期決定という急転直下な展開が、関係者、アスリート、そして我々国民に与えた衝撃は大きかった。
フリーランス編集者として働く空条貞夫さん(仮名・43歳)は、今から遡ること4年、2016年に千葉から都内に転居した。その理由のひとつが、東京2020オリンピックの会場ボランティアに参加するためだったという。
「動機は、“ボランティアに参加したって言いたい”という単純なものでした。自国の夏季オリンピックに立ち会える機会はもうないだろうし、活動内容に自分のキャリアを生かせそうだったのも要因ですね。あと丁度、仕事をしながら専門学校に通いたいと思っていたので、移動時間を短くするという意味でも引っ越しを決めました」
転居を機に、2007年に購入した千葉の持家は賃貸化。空条さんは妻とともに都内の下町エリアに移り住んだ。転居先は元の住居の半分ほどの平米数だったので荷物を減らし、自家用車も手放し、都市型生活に切り替えたという。本来は、2021年の春に千葉の持家に戻る予定だった。
会場ボランティアは、スタジアムの中で働く「フィールドキャスト」(組織委員会管轄)と、観客の対応をする「シティキャスト」(日本財団管轄)に大別できる。全国で12万人以上が動員される予定だが、参加者はどのように選考されたのか。
「私が応募したのはフィールドキャストです。18年末にオンライン応募がスタートし、19年の春に面接がありました。活動できる日数が多いほど選考は通りやすいようです。面接では、志望動機やボランティア経験の有無、外国語が話せるか、ホスピタリティについてどう思うか、などが聞かれました。その後、研修が19年末と今年の頭にあり、3月に正式に役割が割り当てられ、本来は大会前にもう一度役割に関する研修がある予定でした」
一部では、交通費・宿泊費は自己負担のため「やりがい搾取」とも揶揄されているが、空条さん自身はマイナスには受け取っていないようだ。
「実は研修でも『ボランティアの役割と意義』は話題にのぼったのですが、組織委員会の意見は“ボランティアの皆さんにはできる範囲でご協力いただきたいし、当事者として楽しんでもらいたい”というもので、タダでこき使おうというわけではないと思いました。私は仕事柄、スケジュールの調整がしやすいので大会期間中&大会期間前後含めて20日以上参加で応募をしましたが、もっと短期間で応募した人もたくさんいます」
各所に影響が及ぶなかで、会場ボランティア参加予定者の動揺はひときわのようだ。今年開催だったら今日は東京2020大会100日前!
— Tokyo 2020 (@Tokyo2020jp) April 14, 2020
お家タイムをゆっくり過ごしましょう🌸#Tokyo2020 #お家にいよう pic.twitter.com/rd3uuJvBM4
会場ボランティアのために引っ越しをした男性
そもそも会場ボランティアってどう決まる?
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