脱法ドラッグは歌舞伎町路上で平然と売買されている
脱法ドラッグに起因すると思しき、事件や事故が後を絶たない。事件にはならずとも、脱法ドラッグ吸引者が街中で奇声を上げて暴れるなどの“奇行”に走り、警察に保護されたり、救急搬送されるケースも多発している。吸引することで人を狂わせ、果ては第三者に危害すら与える脱法ドラッグ。吸った人間は何を見て奇行に走るのか……。恐怖の実態を探った。
◆今や脱法ドラッグのメッカ。歌舞伎町で行われる売買の実態
都内でも脱法ドラッグショップが多い新宿・歌舞伎町。今では10店舗ほどが隣接して鎬を削っている。その一つの店で話を聞いた。
「いちばん来る客はキャッチとホスト。ウチは安くバラ売りもしているから、みんなよく、出勤前や休憩中のちょっと一服したいとき来て買っていくよ」(店員)
その店の付近で待っていると、実際にトランシーバーを腰に下げた客引きらしき人が次々と出入りし、裏路地で一服して、また仕事へ戻っていった。また、他の店の店員はこう話す。
「最近は、ハーブよりパウダーに力を入れてる。ウチのは業者に発注して直で作らせてるから超効くよ。特にα-PVP系(覚せい剤に似た興奮作用がある物質)は11月の規制で売れなくなるから、今のうちに売っておきたいね」
さらに路上で堂々と売りさばく業者もいた。売れ筋を聞いたところ、「パウダーの『R』ですね。前に人気だったのは、狂っちゃうヤツが出てたんで自粛中です。でも、『R』も同じぐらい効きますよ」と、得意げに営業トークを続ける。あまりに手ごろすぎる売買が、こうして日々行われているのだ。
◆流通する脱法ドラッグは主に3種類
【ハーブ】 乾燥植物片と合成成分。主に「お香」として販売
【リキッド・アロマ】 液状。興奮作用があり「芳香剤」などと称し販売
【パウダー】 粉末状の合成薬物。「バスソルト」という名称でも販売
― 脱法ドラッグ吸引者が見る「おぞましき幻覚」【2】 ―

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