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自分の会社の経営状態を把握する方法

5年先まで生き残れる会社と、生き残れない会社の違いとは、一体何なのだろうか。ダメになりやすい会社の共通点を、産業構造、企業風土、財務状況などの観点から探っていく。あなたの会社は大丈夫だろうか?

◆ホームページの「IR情報」から会社の経営状態を見抜け!

本吉 亮氏

本吉 亮氏

 投資家筋の間でシャープの業績不振が騒がれだしたのは、’12年3月期の業績見通しを下方修正した4月末あたりだったが、多くのシャープ社員が会社の危機を自覚したのは大規模リストラの発表があった8月になってからのことだったという。勤め人たる者、自分の会社の経営状態くらい把握しておきたいもの。上場企業の場合は、ホームページに投資家向けの財務情報が載っているので、それをチェックしよう。株式アナリストの本吉亮氏にポイントを聞いた。

「まずは<フリーキャッシュフロー(FCF)>に注目したいですね。儲かったお金を投資に回して成長していくのが本来の企業のあり方ですが、FCFが赤字ということは利益以上に投資しまくっていることになります。利益で黒字を出しているうちは銀行がカネを貸してくれるのでなんとかなりますが、利益が出なくなると途端に返すアテがなくなる。これで潰れたのが、最高益を更新した翌年に潰れたことで有名な『アーバンコーポレイション』のケース。企業の投資は1年2年というスパンではなく中長期的にやっているものなので、その流れを突然止めることはできません。3年、4年と連続してFCFが赤字の企業は要注意です」 シャープの財務表を見てみると、この5年間のFCFは、ほぼ真っ赤。亀山と堺の液晶パネル工場への投資に前のめりになっていた様子が手に取るようにわかる。

 それ以外にチェックしたいのは「自己資本率」「有利子負債比率」「流動比率」など。「分不相応な借金をしていないか」「借りているカネを返す体力はあるか」などをチェックするための数字である。

⇒計算方法の詳細はコチラ
http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=338486


経営状態

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 さらに注目したいのが、「CDS指数」。CDSとは、いわば企業の生命保険。例えばシャープが突然死すれば、シャープ関連の社債を持っている人は当然損をする。それを避けるために一定の額を掛け金として払っておけば、シャープが潰れても元本は戻ってくる…というものだ。CDS指数の数値が高いほど、投資家から「破綻する危険性が高い」と思われている企業だということになる。

 CDS指数はネットでは公表されていないが、証券会社に聞けば教えてくれる。また、東京金融取引所が運営するホームページ(http://www.j-cds.com/)など、参考値を掲載しているサイトもある。

【本吉 亮氏】
株や為替、経済ニュースなどさまざまな金融情報を発信するT&Cフィナンシャルリサーチの調査部マネジャー。主に日本株を担当

取材・文/上野 智 江沢 洋 田中麻衣子 古澤誠一郎 図版/松崎芳則(ミューズグラフィック)
取材協力/キャリコネ メディアパーク
― [5年以内に消える会社]の判断基準【8】 ―




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