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上司への相談 「どうすればいいですか?」がNGな理由

石黒謙吾氏

石黒謙吾氏

 著述家で編集者の石黒謙吾氏による新著『7つの動詞で自分を動かす』(実業之日本社)が注目されている。「愚直に動くこと それは誰だってできる簡単な問題解決法」と謳う同書では、「ぶつける」「分ける」「開ける」「転ぶ」「結ぶ」「離す」「笑う」という7つの動詞を提示。それらを入り口に、「<名詞で受動的に考える>から、<動詞で能動的に考える>」ことの重要性が解説されている。

 著者の石黒氏に「サラリーマンの日常を“7つの動詞”で見直すと……?」というテーマで聞くインタビューの3回目となる今回は「開ける」。タフな仕事人として名高い石黒氏の熱いメッセージを見逃すな!

◆その3「開ける」

――サラリーマンの日常で「開ける」行為というと、たとえば?

石黒:新規の顧客に飛び込み営業をかけたり、まったく新しいプロジェクトを提案したり、これまで連携したことがない部署や同僚に協力や相談をお願いしたり……なんて営みは、まさに「開ける」ではないでしょうか。

 仕事以外でわかりやすいところだと、これから関係を深めていきたい異性とのやり取り。いろいろな理由や方法を検討して、どうすれば仲良くなれるかを考えますよね。要するに、相手との関係構築には「開ける」というマインドが非常に重要なんです。

――もう少し詳しく教えてください。

石黒:「開ける」ことの真髄は、ひと言でいうなら「待たない」こと。受動の姿勢は御法度です。自動ドアは楽だけど、それじゃそもそも“生きていく”という、山あり谷ありの冒険的プロセスを楽しめない。重たい手動ドアを意識的に選んで、自分から手を動かして開けることを選んだほうがワクワクするでしょ。異性と親しくなりたいなら、自分で動く……つまりは「開ける」姿勢がないと、何も進展しないじゃないですか。仕事においても同じです。

 僕たち編集者の仕事でいうと、ライターさんや取材相手とかに「何か面白い企画があったら持ってきてください」なんてことばかり言っているようなヤツは絶対に伸びない。営業マンでも、取引先に「いい話があったら教えてください」と二言目にはクチにするような人っていますよね。これ、完全に「待ち」じゃないですか。何で自分から動かないのか、提案しないのか。能動的に動かないとなかなか活路は開けないし、そもそも楽しくないじゃないですか。タナボタを期待するようになったら終わりですよ。ていうか、タナボタは自分で引き寄せるもの。お菓子が入ってそうな棚を見つけて、自分で手を動かして開けることを厭わない人間のところに、タナからボタ餅が落ちてくるんです。

――ということは「何かお手伝いすることはありますか?」程度じゃ弱いんですね。

石黒:そのとおりです。「これをやりますが、いいですか?」でないと。上司に相談するとき、「こういう話があるのですが、どうすればいいですか?」なんて受動そのもの。「こういう話があって、自分はA案とB案があると思うのですが、どちらがいいでしょうか?」と、自分のアタマで考えて、能動的に提案する。だいたい、自分より上の人に対して失礼じゃないですか。自分のアタマを使って考えず、上司のアタマと貴重な時間を使おうとしているわけだから。上司はパシリかよと(笑)。仮に自分の案が採用されず、C案を指示されたとしても、自分が提案したA案、B案があるから新たなC案が出てきた、みたいなケースはよくある。こういう配慮の積み重ねが仕事の評価に結びつくものです。

 受動ではなく、能動。それが意識できない人は出世できないと、ごく普通にわかります。

【石黒謙吾氏】
編集者・著述家・分類王。1961年、石川県金沢市生まれ。講談社『PENTHOUSE』、『Hot Dog PRESS』の雑誌記者・編集者を経て、32歳で完全フリーに。以来、書籍の編集やプロデュースに注力し、これまでに200冊以上を手がける。著書は87万部で映画化もされた『盲導犬クイールの一生』はじめ、『2択思考』『図解でユカイ』『ダジャレ ヌーヴォー』など多数。プロデューサー・編集者としても、歴史・社会ネタからサブカルまで、硬軟織り交ぜたさまざまな本作りを展開する。全国キャンディーズ連盟(全キャン連)代表。日本ビアジャーナリスト協会副会長。草野球歴34年、年間40試合という現役プレーヤーでもある。

<取材・文/漆原直行>
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