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仕事の能率が劇的にアップする「2択思考」のススメ

石黒謙吾氏

石黒謙吾氏

 著述家で編集者の石黒謙吾氏による新著『7つの動詞で自分を動かす』(実業之日本社)が注目されている。「愚直に動くこと それは誰だってできる簡単な問題解決法」と謳う同書では、「ぶつける」「分ける」「開ける」「転ぶ」「結ぶ」「離す」「笑う」という7つの動詞を提示。それらを入り口に、「<名詞で受動的に考える>から、<動詞で能動的に考える>」ことの重要性が解説されている。

 著者の石黒氏に「サラリーマンの日常を“7つの動詞”で見直すと……?」というテーマのその2となるのは? タフな仕事人として名高い石黒氏の熱いメッセージを見逃すな!

◆その2「分ける」

――サラリーマンの日常で「分ける」というと……

石黒:仕事って、分ける行為の連続です。案件に優先順位を付けたり、担当の商品の特性を説明するためにくくって並べたり。仕事を含めた“生きる”という営み……つまり、一日の予定を立てたり、状況に応じて見直したりすることは「分ける」思考の集合体なんです。

 僕は昔から、「何でもまずは2択で考えよう」と提唱しています。一見、複雑に絡まっているように映る事柄でも、ひとつひとつ分解していけば、どんな事象もひとまずは大きく2分できる。このあたりのことは、2010年に書いた『2択思考』という本で詳しく説明しています。あ、4月にそれが星海社から新書版として刊行されるので、よかったらそちらも、ぜひ。

 で、今回おすすめしたいビジネスマン向け初級エクササイズは、自分の人間関係を2択で分類してみよう、というもの。分けることは慣れです。慣れれば、何でも2択で考えられるくらいに分解・分類できるようになります。

 たとえば、ドラマの登場人物相関図。これ、いきなり「描け」と言われても、なかなかうまくできない。描くためには、会社の人間関係、家族の関係など個々のつながりを分析、把握する必要がある。次に、それぞれに「密かに慕っている」「実は過去のある出来事で恨みを持っている」みたいなファクターを揃えて俯瞰し、図として整えていく。

 このようなプロセスはすべて、たとえば「好き/嫌い」「味方/敵」と分けるところがスタートライン。単純化して、まずは2つに分けて考える。その積み重ねが、ディティールを理解し、かつ広く見渡したうえでの把握になるのです。

――何だか難しそうなんですけど……。

石黒:そんなことないですよ。ビジネスパーソンにとって、人間関係はもっとも重要。だからこそ、普段から意識して人を見ているでしょ。そこで、たとえば自分の所属している部署には10人いて、そのうち自分寄りが7人、ライバル寄りが3人……みたいな分類は、誰でもすぐにできると思うんです。そして大事なのは、自分で手を動かして図にしてみること。といっても、名前を箇条書きで書き出して、「味方」「敵」と丸囲みにしてみるくらいでいい。メモの意識で十分。これを、担当案件ごとにやってみるとか、仕事以外でも合コンのメンバーでやってみるとか。

 その際「味方のカテゴリーだけど、わりと敵寄り」とか、細かな条件設定を最初は無視していいんです。あくまでざっくり。慣れてきたらそうやって分類してもいいけど、まずは単純化することを意識してください。分けて、さらに図にしてみると、わかっていたようなことでも意外な発見があったりしますよ。そして何でも脳内で分けて考えるクセがつくと、仕事の能率とか格段に向上します。分類歴40年の僕が保証します(笑)。

――思考術に関するビジネス書などでも「何でも図にしてみよう」と解説するものも多いです。

石黒:ええ。でも、あの手の本では分けることを軽視している、もしくは無視しているものが少なくない。いきなり図はなかなか描けないですよ。まずはシンプルに2つに分けるところから始めないと、行き詰まるんじゃないかな。

 僕、メールの処理がすごく早いんです。これも分ける行為のたまもの。朝、メーラーを開きますよね。そこでまず、タイトル見て処理のパターンを決める。まずはメルマガみたいにレスがいらないものをざっと読む。そのメルマガにしても、読みたいものほどあとに回して、しょぼいのは5秒でスキャンするように見てゴミ箱。続いて、普通のメールに移り、レスが不要なものを勘で見極めて、ざっと読んで案件ごとのメールボックスにしまう。レスをしなきゃいけないものも、さらに分類。簡単にレスできそうなものから返していくんです。レスが長くなりそうなものほど後回しにします。これを逆にすると、レスしなきゃいけないメールがどんどん溜まってしまうんです。

 それから、メールで返すとどうしても長くなってしまいそうなときは、すぐに電話しちゃうんですよ。最近、電話できない人がホントに多いですよね。面倒な話題についてクドクドと長文を書くヒマがあったら、電話しちゃえばいいのに。これも、業務を2択で考えて、単純化できていないからだと思いますね。

【石黒謙吾氏】
編集者・著述家・分類王。1961年、石川県金沢市生まれ。講談社『PENTHOUSE』、『Hot Dog PRESS』の雑誌記者・編集者を経て、32歳で完全フリーに。以来、書籍の編集やプロデュースに注力し、これまでに200冊以上を手がける。著書は87万部で映画化もされた『盲導犬クイールの一生』はじめ、『2択思考』『図解でユカイ』『ダジャレ ヌーヴォー』など多数。プロデューサー・編集者としても、歴史・社会ネタからサブカルまで、硬軟織り交ぜたさまざまな本作りを展開する。全国キャンディーズ連盟(全キャン連)代表。日本ビアジャーナリスト協会副会長。草野球歴34年、年間40試合という現役プレーヤーでもある。

<取材・文/漆原直行>
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