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カール・ルイスらレジェンドアスリートが被災地で熱血指導

カール・ルイス

会見に臨んだ、為末大氏、マイク・パウエル氏、カール・ルイス氏、ウィリー・バンクス氏(左から)

 アメリカのレジェンドアスリートと呼ばれる、100m・走り幅跳び元世界記録保持者のカール・ルイス氏(51歳)、走り幅跳び現世界記録保持者のマイク・パウエル氏(49歳)、三段跳び元世界記録保持者のウィリー・バンクス氏(57歳)が元400mハードル選手の為末大氏(34歳)の招きにより、3月23日(土)・24(日)の2日間、宮城県・石巻市を訪問した。  スポーツ選手が被災地を訪れ、「東北からメダリストを!」を合言葉に、世界的なアスリートを輩出するサポートをする「東北スポーツサミット 2013」に出席したレジェンドたちは、ジュニアアスリートやそのコーチたちを前に講義や実技指導を行った。
カール・ルイス

ジュニアアスリートを指導するカール・ルイス氏

 石巻専修大学で行われた実技指導では、気温3度の寒空のなか、3人のレジェンドがそれぞれ子どもたちを「熱血指導」。全体ウォーミングアップでは、カール・ルイス氏が子どもたちを引き連れ、先頭を切ってランニング。現役時代と変わらぬ美しいフォームに参加者や、保護者たちから歓声が上がった。  25日に東京・有楽町で行われた記者会見で3人は、被災地に出向き、子どもたちと実際に指導した感想を述べた。  震災発生時、東京の友人と電話で会話していて、奇しくも”リアルタイム”に震災を体験したというカール・ルイス氏は「2年前にも被災地に行きましたが、子どもたちの辛く悲しそうな顔が印象的でした。しかし昨日再び訪れると、子どもたちには見違えるような笑顔がありました。悲劇から抜けだそうとしている気持ちが溢れて感動しました」とコメント。  マイク・パウエル氏は「子どもたちと一緒に練習をして才能を感じました。子どもたちには自分自身を信じる、できないという言葉を使わない、何かを成し遂げることの素晴らしさを教えました。2020年のオリンピックが東京に来ることを祈っています」とエールを送った。  ウィリー・バンクス氏は「東北に刺激を与えたいと思って訪問しました。コーチや子供たちを集めて『We are champion!』と何度も声に出し、彼らにも実際にその言葉を言ってもらいました。そうすることで子どもたちの目がだんだん輝いて、笑顔になっていくのを見て、素晴らしいことだと感じました。『2020年にキミたちを東京の競技場で見ることになると思うよ』と言うと、歓声が上がったので、このプロジェクトの成功を確信しました」。  3人のレジェンドから手ほどきを受けた東北の子どもたちが、世界に羽ばたく日はそう遠くないはず。2020年、彼らには大きな舞台が待っている。 <取材・文・撮影/遠藤修哉(本誌)>
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