ラストで感動爆発…泣けるゲーム5選【多根清史さん推薦】
―[[鉄板で泣ける名作]40選]―
最近、いつ泣きましたか? 感動の涙には、日頃たまったうっぷんを解消する効果があるそう。疲れた心の修復と明日への活力のために、その道の達人が、必涙の傑作を推薦! 今回はゲームやアニメを対象に活動するライターの多根清史氏が泣けるゲームを紹介する。
◆ゲームとして完成度が高い作品は、感動できる
操作が不自由だったり、セリフが不自然だったり、ストレスフルな要素があるゲームは結末がよくても泣けない。泣けるゲームはゲーム自体の完成度も高いんです。『ファイナルファンタジーX』は典型例。物語の要素の組み合わせもセリフ回しも、ストーリー展開の“カードのめくり方”も抜群にうまい。滅びの美学を感じる物語ですが、各キャラが使命を全うしているので後味も悪くありません。
またゲームの感動はプレイしながら育てるものです。面倒な過程を重ねてこそ、キャラに感情移入ができるし、ラストの感動も大きくなる。数十世代の血を繋いでボスを打倒する『俺の屍を越えてゆけ』などは、プレイヤーが作り上げた家系図=ストーリー自体が、思い出となり、感動を呼び覚まします。映画や小説とは違い物語を作る楽しさもゲームにはあります。
だからガチャのように刹那的な快楽は求めず、どの作品でも最低5時間はその世界に付き合ってほしい。『CROSS CHANNEL』や『シュタインズ・ゲート』などは途中からガラリと様相が変わり、SFの世界も旅できる。ゲームでは部屋にいながら世界を旅して感動できるわけで、こんなコスパのいい遊びはありません。
●『ファイナルファンタジーX』(PS2、PSV、PS3)
「ストーリーが錯綜しがちなFFですが本作はわかりやすさも抜群。主人公と父との複雑な関係、ヒロインとの恋愛関係などベタな展開を見せますがそれでも泣けます」。年内にはPS3とPSVitaでHDリマスター版が発売予定
●『俺の屍を越えてゆけ』(PSP)
平安時代、朱点童子という化け物に、短命の呪いなどをかけられた一族が、血を受け継ぎ戦いを挑むRPG。「敵を倒して強くなるシステムはシンプルで、セリフが饒舌ではないのに泣ける異色作です」
●『ICO』(PS3)
古城に閉じ込められた少年が、言葉の通じない少女の手を取り、脱出を図るアクションアドベンチャー。「『自分が守ってあげなきゃ』と感情移入してしまいます。2人の距離が縮まるラストも感動的」
●『シュタインズ・ゲート』(Xbox 360、iPhoneほか)
秋葉原で中二病の主人公がタイムマシンを発明してしまう空想科学アドベンチャー。「後半は悪の組織との壮絶な戦いが。主人公の勇気に感動し、悲劇的な運命には涙するでしょう」
●『CROSS CHANNEL』(PSPほか)
学校の放送部員の夏休み……という日常から始まるノベルゲームだが、途中で部員たち以外の人類が滅亡する。「壮絶な人間模様も描かれますが、最後には感動的な和解の方向に進みます」
【多根清史氏】
ゲームやアニメを対象に活動するライター。アニメ雑誌『オトナアニメ』スーパーバイザーも務める。『教養としてのゲーム史』『超クソゲー3』『超エロゲー ハードコア』など著書多数
『ファイナルファンタジーX』(C) 2001 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. CHARACTER DESIGN:TETSUYA NOMURA 『俺の屍を越えてゆけ』(C) 1999-2011 Sony Computer Entertainment Inc. 『ICO』(C) 2001-2011 Sony Computer Entertainment Inc.
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