現代の“泣ける小説”の完成形はコレだ【杉江松恋さん推薦】
―[[鉄板で泣ける名作]40選]―
最近、いつ泣きましたか? 感動の涙には、日頃たまったうっぷんを解消する効果があるそう。疲れた心の修復と明日への活力のために、その道の達人が、必涙の傑作を推薦! 今回はあらゆるジャンルの書籍をレビューする杉江松恋氏が泣ける書籍を紹介する。
◆書籍…自分の“泣きのツボ”を知り運命の本と出会おう
本を読んで“泣ける”かどうかは、読む人のそれまでの人生経験や、個人的体験に大きく左右されるもの。「俺は子供のおつかいモノに弱い」「私は老人の夫婦愛モノで涙腺崩壊しちゃう」など、人それぞれ“泣きのツボ”はまったく違うので、「この本だから必ず泣ける」という一般則があるわけではありません。
それを踏まえたうえで、より多くの人の“泣きのツボ”を押さえていると思われるおすすめが、下記に挙げた5作品です。特に『パパはジョニーっていうんだ』という絵本は、大人が読めば誰でもボロ泣きしてしまうはず。一方、『蜩ノ記』も読者を泣かせるための計算やノウハウがすべて詰まっており、“泣ける小説”としてひとつの到達点に達したといえるでしょう。
ちなみに、共感は得にくいと思いますが、僕の個人的な“泣きのツボ”は「バカが一生懸命やっている姿」。なかでも、水道橋博士の『お笑い男の星座』(文藝春秋)に収録されている江頭2:50の水中息止め対決のエピソードは、「バカも振り切れると感動を呼ぶ」という意味で、異色の“泣ける本”だと思います。“泣ける本”と出会うには、自分の“泣きのツボ”はどこにあるのかを把握しておくことが必要ですね。





―[[鉄板で泣ける名作]40選]―
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