インドネシア発のダンス音楽「ファンコット」がクラブ、アイドルシーンで大人気
ユーロビートが西洋から輸入され、日本で独自進化したように、インドネシアで独自進化したダンスミュージック「ファンコット」が、最近日本の音楽業界で密かに注目を集めている。
もともとラジオ番組で取り上げられて話題になったファンコットという存在。それがニコ動で楽曲がアップされたり、インディーズでミックスCDがリリースされるなど、じわじわと広がりを見せていたのだが、それが今年に入ってからEMIミュージック・ジャパンが初のFUNKOT EP『Funkot Anthem』を配信リリース、テレビ東京の深夜ドラマ『好好!キョンシーガール~東京電視台戦記~』のエンディング・テーマに日本初のオリジナルファンコット楽曲として『イーアル!キョンシーfeat.好好!キョンシーガール』が採用されるなど、オーバーグラウンドに進出し始めているのだ。
この勢いはとどまるところを知らず、4月4日にはアイドルグループhy4_4yh(ハイパーヨーヨ)が全面的にファンコットを採用した新譜『ティッケー大作戦!~YAVAY/ HYPER TICKEEE QUEENの歌』、4月26日にはファンコット初となる公式J-POPカバーミックスCD『最強神速J-MIX ~FUNKOT EDITION~』のリリースが予定されているほどだ。
いったい「ファンコット」とは何なのか? ファンコットを日本に紹介し、今でも「伝道師」として活躍しているDJ・クラブ店主の高野政所氏を直撃してみた。
「ファンコットは2000年代初頭にインドネシア、ジャカルタで生まれて発展していったアジア発のダンスミュージックです。源流は欧米のハウス・ミュージックですが、それがインドネシアの大衆歌謡であるダンドゥットなどと組み合わさり独自変化を遂げたものです。特徴としては極めて早いテンポ、独特のビート、パーカッション、ベースライン。激しいシンセサイザーフレーズと節操のないボイスサンプルが挙げられます。楽曲中にビートが下がるダウンビートの箇所があるんですが、そこは流行りものなら貪欲にサンプリングできる。トランス、ヒップホップ、レゲエから演歌やアニソン、特撮、全米ヒットでも全部のせできるんです。車に例えるなら、水陸両用ジェットエンジン付きで武器を搭載したデコトラみたいなものです。そんな盛り上がるために特化したような楽曲で、インドネシア全土ではスーパーやタクシーの中でもかかりごく自然に広まっているけど、一切国外に出ていない存在だったんです」
高野氏自体も、まったく知らなかったファンコット。出会いはYouTube上だったという。
「15年くらい前、大学生の頃にアジア音楽のCDを中古で集めていたんですが、その頃にダンドゥットには出会っていたんです。でも当時は他に面白い楽曲もあったし、ハマるほどでもないなと思っていた。で、数年前にYouTubeでふとダンドゥッドを検索してみたんです。そうしたらビートは倍速になってるし、よくわからないボイスサンプリングがなりまくってて、こりゃタダ事じゃないなと。それで調べたのがきっかけでした」
調べてみたが、インドネシアのクラブで自然発生的に進化してきたファンコット。音楽史的にもまったく無視された存在であるが故に、体系化した文書など一切なく興味だけが肥大していったという。
「知り合いのツテで、日本人だけど現地でファンコットDJをしている人とも繋がったけど、彼も現場で回すこと中心でルーツまではわからない。いてもたってもいられなくなって、気がついたら頼まれても居ないのに現地のクラブやファンコットDJスクールを取材に行ってました」
⇒【後編】に続く「インドネシアのDJシーンは厳しい徒弟制度の世界だった」
https://nikkan-spa.jp/413054 <取材・文/日刊SPA!取材班>
https://nikkan-spa.jp/413054 <取材・文/日刊SPA!取材班>
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