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なぜ「無難な人」は仕事で成果が出ないのか?

頭がよくて行動力もあるのに、それに見合った成果が出ないというサラリーマンが存在する。その理由を20~30代の若手から「社外先輩」として支持されている経営コンサルタントの鈴木進介氏はこう分析する。

仕事術, 残念な人, 職場

日本企業のサラリーマンはほとんどが「無難な人」!?

「それは、“無難な人”だからです。それなりに優秀だから仕事はそつなくできるし、客観的に見てもそこそこの成果は出ている。しかし、逆にこうなると、それ以上のリスクをとって挑戦するより、失敗したくないという心理が行動を制限してしまって、思ったほどの成果が出なくなるのです」

 大手企業のクライアントにも印象的だった“無難な人”がいるとか。

「これまで100社以上の企業とかかわってきましたが、サラリーマンのほとんどの人が“無難な人”です。彼らは会社で生き残る10%には入ってきませんし、それは大企業であれ中小であれ、どの企業でもたいてい同じです。これは、先日発売した書籍『スマホは捨てろ!』に象徴的なエピソードとして紹介したのですが、ある大手通信機器メーカーに勤務するエンジニアはアップルに転職するために、TOEICの勉強に血眼になっていました。彼が本来すべきことは、エンジニアの強みを活かして新たなハードウェアの試作品をつくって面接に持っていくことです。新たなモノをつくることは多大な労力と挑戦心を伴い、失敗のリスクもあるので、彼は英語力のアップという無難なスキルアップを先に選択したわけです。これでは転職などできないでしょう」

 そういった勘違いや、リスクを取ることへの恐怖がサラリーマンを“無難な人”にしている、と。

「これが日本企業の実態です。決して彼だけが特別ではなく、日本企業の停滞は彼らのような“無難な人”たちがつくりだしています。せっかく高い意識を持って仕事して、スキルアップにも熱心なのに、本当に“もったいない”と思いますね。ほかにも、あらゆる情報に精通しているけど、企画提案ができず、受注につながらない通称“インプットおたく”もそうです。暇さえあれば情報収集に時間をかけ、社内では歩く“日経トレンディ”とまで呼ばれているのですが、その情報が活かされることはなく、単なる物知りで終わっています」

「仕事をしたつもり」になっている人ですね?

「情報収集なんて時間さえあれば誰でもできる。今では検索さえすれば同じ情報にたどりつけます。情報は自分なりの視点で編集や加工をしてはじめて価値を持つもの。新たな提案書にまとめたり、顧客に提供して受注につなげて、成果となるものです。労力をかけるポイントを間違っているのです」

 二者に共通することは、いくらスキルが高くて優秀でも、活かされずにムダになっている人が多いということですね?

「とくに英語や資格といったスキルアップは目に見えて数字が上がるので、仕事に活かせると錯覚するのです。しかし、そんなことよりも、多少のリスクはいとわずに仕事に向き合ったほうが仕事の成果は出せます。そうでないと、永遠に“無難な人”から抜け出せなくなるでしょう」

 それでは、現在“無難な人”はどうすればいいのでしょうか?

「まずは、自分が無難であることをしっかりと受け入れることです。薄々と気づいている人はいますが、自覚している人は意外に少ない。それを認めずに、上位の人間の猿真似ばかりをしているから、他人に勝る成果が出ないのです。無難であることは、恥ではありません。少なくとも“中の上”なわけですから。ただ、これからは“中の上”というだけではグローバル競争の中で振り落とされるという、過酷な現実も確かです。無難な自分の現状を受け入れ、今こそ自分なりの生き残りをかけた戦略と戦術を考え抜いてほしいと思います」

 “無難な人”とは実に耳の痛い言葉だ。「そこそこ」「ソツなく」「無難に」から抜け出すために、まずは自分のポジションを冷静に突き詰めたい。 <取材・文/日刊SPA!取材班>

【鈴木進介氏】
コンパス代表取締役。「逆転の思考術」をテーマに経営コンサルタントとして活動。20~30代の若手社員から「社外先輩」として圧倒的な支持を得ている。5月9日に『スマホは捨てろ!』を発売 http://suzukishinsuke.com

スマホは捨てろ!

「会社で生き残る」ための戦術を徹底的に考えた




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