漫画『アラサーちゃん』に共感できる人は自意識過剰【社会学者・鈴木謙介】
『恋のから騒ぎ』の元メンバーとしてAVに電撃出演、一躍話題になったのが’05年。そんな峰なゆかがいまや売れっ子の漫画家に! 現在は有名人にもファンが多い著書『アラサーちゃん』。その人気を専門家たちが分析する。
◆カテゴライズし牽制し合う、現代的でリアルなコミュニケーションがここにある
「この『アラサーちゃん』に描かれているのはウェブ世代のコミュニケーションですね」と語るのは社会学者の鈴木謙介氏。
「かつての社会では、みんな同じであることが良しとされていました。でも、現代のようにネットで個人が情報発信する時代では、人と同じでは注目されない。そうすると、『他人とは違う個性を持つオンリーワンでありたい』という人がますます増えていくわけです」
しかし、なかにはそうした人たちを、「他人と違う自分を演出する人」として、カテゴリー分けしようとする人々もいる。
「この作品の登場人物はまさにそんな分類上級者たち。自意識が強く、自分がステレオタイプになることを恐れているから、他人をジャンル分けして自分の優位性を保とうとするんです」
作中で象徴的なのが、男性キャラが「自分は普通の男とは違う」とアピールするシーン。
「でも、女性陣は彼を『“ほかの男とは違う発言をするオレ”をカッコいいと思っている人』とカテゴライズする。このリアルな人間模様が『アラサーちゃん』が支持を集める理由なのでは。ただ、本当に心理を深読みした描写が多いので、この作品を100%『あるある!』と思う人は少ないはず。いるとしたら、相当自意識過剰でしょうね」
【鈴木謙介氏】
社会学者。’76年生まれ。関西学院大学社会学部准教授。TBSラジオの『文化系トークラジオ Life』のMCとしても知られる。著書に『カーニヴァル化する社会』(講談社現代新書)など
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