更新日:2013年07月04日 13:27
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毒ダコだけじゃない!ダツ、カンディル…恐怖の魚介類

 神奈川県茅ヶ崎や房総沖などで毒タコの「ヒョウモンダコ」が見つかり騒動になっているが、水の中の生物は毒を持つ種類のものや、鋭い刺や歯を持つものも少なくない。  「殺人魚」として知られているのは映画でも描かれた「サメ」や「ピラニア」だが、他にも結構恐ろしい魚がいる。  沖縄県でサメ以上に恐れられているのがダツという魚。身を守るための棘や毒を持つわけでもなく、捕食のために襲うわけでもない。では何が怖いのか? ⇒【写真】「ダツ」https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=467565
ダツ

鋭い口先のダツ(http://www.mexfish.comより)

 ダツが怖いのは、その身体と性質にある。ご覧の通り、矢のように細長く尖った身体をしている。さらに、光に敏感に反応して突進してくるのだ。どれだけの勢いで突進してくるかというと、そのスピードは時速60km近く。これが目などにぶっ刺さる危険性があるのだ。たちが悪いことに、刺さったあとには抉るように回転するらしく、傷口が拡大してしまうという。’77年にハワイで起きた事故では、父親と一緒に夜釣りをしていた子供が水中からヘッドライトの光をめがけて飛び出してきたダツが目に刺さり、脳まで到達、死亡したという。日本でも、沖縄県衛生環境研究所の調べによると、1929~1992年の間で7人が死亡しているという報告がなされている。
グーンチ

巨大ナマズ「グーンチ」animal.discovery.comより

 都市伝説的に恐れられるケースは「淡水魚」に多い。中でも巨大ナマズなどは各地に「人喰い伝説」が存在する。  インドとネパールの間を流れるカリ川には有名な「人喰いナマズ」伝説がある。同川の流域では、火葬で焼き残った部分を川に流す風習があるのだが、グーンチと呼ばれる巨大ナマズは、その死体を食べて人の味を覚えてしまったという。インドの記録では、’98年と’07年の2回、人がグーンチに引きこまれたとされる記録がある。 ⇒【写真】「グーンチ」https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=467735  身体こそ小さいものの、アマゾン河流域で恐れられているナマズが、ドジョウ程度のサイズのカンディルという魚。カンディルは、その細い身体を使って大型魚のエラから侵入して吸血したり、肉を食いちぎったりするという。アンモニアに反応する性質からか、しばしば都市伝説的に「男性の性器から体内に侵入して食いちぎる」などという被害が語られているが、公式の記録では確認されていない。  毒系も恐ろしい。ふぐなどは食べない限り死ぬことはないが、騒動になったヒョウモンダコは「噛む」ことで攻撃してくる。ヒョウモンダコの唾液にはフグ毒と同じ強力な神経毒であるテトロドトキシンが含まれており、過去にはオーストラリアなどでダイバーが潜水中に噛まれた事例も報告されている。  ヒョウモンダコ同様に、アンボイナを始めとする数種類のイモガイも強力な神経毒を有する。イモガイは貝のイメージに反してアグレッシブな狩猟方法を誇っている。尖った銛のような「舌」に似た器官で獲物に向かって鋭く突き刺して毒を注入するのだ。この舌、鋭くとがっている上に一度刺さると抜けにくいように逆トゲまで備わっているのだから実に性格が悪い。我が国でも過去に死亡例があるという。  以上、海開きしてこれから海水浴シーズンとなるが、ヒョウモンダコのようにかつては関東エリアでは珍しかったタコもここ数年の温暖化の影響なのか生息域を拡大している。うかつに海の生物には近づかないように注意したい。 <取材・文/日刊SPA!取材班>
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