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壁もトモダチ!キミは「壁ありサッカー」を知っているか?

壁あり1サッカー好きの男のコなら、翼くんよろしくドリブルしながら壁にボールを当て、ひたすら「ワンツーパス」をしたり、雨の日に体育館でバレーボールを思い切り蹴って、跳ね返ったボールを日向くんの如くボレーシュートしたりして遊んだことがあるだろう。

ハーレン・フースバル。ハーレンは室内、フースバルはフットボールの意味だ。寒さ厳しいドイツでは冬季の人気スポーツで、ブンデスリーガのシーズンオフのトレーニングやユース世代の育成、アマチュアの娯楽スポーツとして広く楽しまれている室内サッカーがある。

しかしこの室内サッカー、日本や世界中で行われている室内サッカーやフットサルとは大きな違いがある。それは「壁」。四方のコートを取り囲むのはラインではなく、なんと壁なのだ。したがってボールはコートの外には出ない。だから文字通り「壁パス」ができてしまうという”異色のサッカー”なのだ。

「壁ありサッカー」はドイツでは大変な人気で、サッカー協会はもとより、FIFAやUEFAが後援するユース世代の大会も20年間に渡り開かれているという。そこには「ハンブルガーSV」や「1.FCケルン」といったブンデスリーガの有名チームも参加しており、代表で活躍するトッププレイヤーもこの「壁ありサッカー」をしていたという。

ドイツで数十年前から開かれている17歳以下(U-17)の大会に、日本チームが招待されており、その本大会の出場権を賭けた予選が夏も真っ盛りの日本で開かれていることを聞き、さっそくその大会を観戦してきた。

壁と屋根に囲まれたピッチ。天井に当てる「壁パス」もOK

埼玉県川越市の川越水上公園。アイススケート場を改造した屋根付きのコートが会場だった。スケートリンクと思われる囲いの中に人工芝とゴールが置かれ、フットサルコート2つがすっぽり入るスケートリンクの広さがそのままピッチとなっている。

選手はゴールキーパーを含め5人。フットサルと人数は同じだが、広さが2倍だから運動量は半端ではない。ボディコンタクト禁止のフットサルと違って、ショルダーチャージやスライディングタックルもOKだ。試合時間は前後半なしの12分が1ゲームだが、ボールが「ラインを割る」ことがないため、選手は動きっぱなし。選手交代は自由と聞いたが、見ていても相当ハードなのだということがわかる。

参加チームには前橋育英、武南、修徳などの名門校や、柏レイソル、東京ヴェルディといったJリーグのユースチームも名を連ねていた。競技レベルが高いのは一目瞭然、未来の代表選手がプレイしているかもしれないと、観戦にも自然に力が入る。

壁に当てて背後の味方にパス!次の動きを予想しながらのプレイは頭も使う

試合を見ていて驚いたのは、やはり「壁パス」。壁ぎわをドリブルして、相手のDFを背負いながら壁にボールを当てる。すると相手DFはあっさりと置き去りにされた。また、天井も使ってOKなので、頭上にボールを蹴り上げ天井に当てると、ゴール前の選手に「ラスト壁パス」。予想外のパスの球筋にGKも面食らっていた。

感心したのは、遠目からのシュート。外し気味にゴール横の壁に当てると、猛ダッシュ。ボールを取り損ねたキーパーをあざ笑うかのように跳ね返ってきたボールを、ダイレクトでゴールに蹴り込んだりと、サッカーやフットサルでは”ありえない光景”に会場はどよめいた。

コーナーに押し込んで挟み撃ちする戦法も

さらに凄かったのは、ボールを持った相手FWをコーナーの壁際に追い込んでのショルダーチャージ。そのまま相手を壁にぶつけ、挟み込んでしまうといった、アイスホッケーさながらの接触プレイも「許容範囲」である。

なんとも激しいこの「壁ありサッカー」。現在は選手育成やフィジカル強化という意味合いがあるが、レジャーとしても楽しめそうだ。少々パスが下手でも、壁があるから、相手ボールにはならない。コートを狭くすればスピーディーさが増しスリリングなゲームができそう。

日本に入ってきてまだ数年というこの「壁ありサッカー」。後発のフットサル、ビーチサッカーのようにW杯が行われる日が来るかもしれない。

取材・文/遠藤修哉(本誌)

なでしこジャパン 壁をこえる奇跡の言葉128

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