全国初!豊島区の「マンション管理推進条例」とは?
アベノミクス効果や五輪招致の成功で活況を呈すマンション市場。ベイエリアを中心に高層マンションが次々に建設されているが、その一方では、経年劣化の激しい“おんぼろマンション”も増加し、なかには深刻なトラブルを抱える物件も少なくない。住民の高齢化、共用部にはゴミが溢れ……“負のスパイラル”にはまり「スラム化」するマンションの惨状を追った。
◆スラム化に対する行政の対応は?
老朽化マンションへの対策として、東京都豊島区では今年7月より「マンション管理推進条例」を施行。マンション管理に特化したこの条例は全国初の試みとなった。
「同条例はマンション管理状況や長期修繕計画の届け出を義務づけるというもの。悪質なものはマンション名を公表するという罰則規定を設けたせいもあり、区内の900件以上ある分譲マンションのうち、早くも270件が届け出をしています。また、管理組合や長期修繕計画がなかったマンションでは作ろうとする動きも出ています」(豊島区都市整備局)
また、京都市も高経年マンションへの対策を講じている。
「景観条例もあって、京都では老朽化したマンションの建て替えは現実的に困難なので、現状の建物を修繕しながら活用していくしかありません。そこで、管理運営に問題を抱える物件を『要支援マンション』に指定し、管理士の派遣など、管理に関するさまざまなサポートを行っています。『要支援』にはすでに47件が選定されています」(京都市都市計画局住宅室)
ただ、これらの対策はあくまで今後スラム化が懸念される物件が対象で、“予防策”の意味合いが強い。すでにスラム化してしまった物件への対策はどうするのかという点は、依然不透明なままだ。
― [マンションのスラム化]がヤバ過ぎる!【2】 ―

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