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PERSONZのJILLが、24年ぶり渋公ライブへの意気込みを語る

PERSONZ,JILL

「夢は、口に出していれば現実が追い付いてくるんだな(笑)」(JILL)

ドラマ『ママハハ・ブギ』(89年、TBS)の主題歌『DEAR FRIENDS』などで知られるバンド・PERSONZが、来年のデビュー30周年を前に、10月26日に渋谷公会堂でライブを開催。24年ぶりとなる渋公ライブを前にしたボーカルのJILLが、30年を振り返り、そして今回の渋公に懸ける思いを語った。 ――80年代のバンドブームで注目されたバンドのほとんどが、今では解散してしまいましたが、PERSONZが停滞することなく続けてこられたのは何故だと思いますか?  デビュー10年目の93年に、一度ギタリストが抜けてしまったんですけど、そこで辞めなかったことがよかったのかな。いまでこそ変則的な編成のバンドって結構ありますけど、サウンドメーカーであるギターが抜けてしまうって、当時は考えられなかったんですよね。だからといって、辞めるわけにはいかなかったから続けてきて。それで、続けてきたからこそ、20年目に再びギターも戻って来られて。 ――確かに、メンバーが変わったり、一度解散して再結成といったバンドは結構ありますけど、同じメンバーで続けているバンドって本当に少ないですよね。  そうですね。でも、10年目まではレコード会社や大人たちに守られての活動だったのが、ギタリストが抜けた直後にそれまでお世話になっていた事務所から独立をしたので、活動の形態はずいぶん変わりました。ツアー組むのも、グッズ作ったりするのも、いまは全部自分たちでやってます。 ――独立して活動することになって、よかったと思うことは?  今の若い人は大変ですよね。ちょっと話題になったって売り上げには結びつかないし、業界自体が縮小していっている部分があるから、昔みたいに「ちょっと歌が上手いからデビュー」みたいな話もないし……。  私たちって、一番CDが売れていた、ものすごくいい時代にデビューしたんですよね。そういうときにデビューして、今も事務所に守られたままで活動していたら、「CDや曲が全然売れない時代」に、どうやって向き合って活動していけばいいのかわからなかったと思う。独立をきっかけに、そういうことをちゃんと自分たちの頭で考えて活動していけるようになったことは本当によかったと思ってます。 ――すべてを自分たちで仕切って回していくのはやはり大変な部分もある?  ツアーをやるときに、東名阪では比較的すんなりやれても、「青森」とか、「鳥取」とかなるとやはり難しかったです。でも、自分たちでやれることをひとつずつやっていくなかで、ちょっとずつライブハウス同士の横のつながりとかで、やらせてもらえる地域が増えてきたのはうれしかった。 ――11年には、ほぼ毎月シングルをリリースしていましたが、そのパワーはどこから湧き出てくるのでしょう?  ちょうど20枚目のアルバムを作ろうとしているときだったので、「機が熟した」という感じでリリースしたかったんです。それで、10年の年末に、何となく「毎月シングルを1枚出そうか」って話になりました。作り置きしたものを出すんじゃなくて、毎月作ろうって。そしたら、その直後、3月に東日本大震災が起きて。自分たちは震災の時には九州にいて、すぐにはピンときていなかったんだけど、状況が判るにつれどんどん世の中の緊張感が高まってきて。音楽って何なんだろう、いま、本当に必要なものなのかな、ということはものすごく考えました。  そんななかで、毎月CDを出して、ツアーで東北もめぐって。そこで、結果的に「気持ちが晴れた」と思ってくれるお客さんを目の当たりにしたことは本当に貴重な経験でした。「ああ、観に来てくれた人に少しでも元気になってもらうだけじゃなくて、ここに来られなかった人たちがいつかまたライブに来られるようになるまでライブを続けよう」と。  結果的には、11年に毎月CDを出して、全国を巡ったことは、大きな糧になっていると思います。 ――今回の、24年ぶりの渋公ライブは、回顧的な意味合いと言うよりも、「挑戦」という印象を受けますが……。  いつも、夢は口にしてきちゃったんですよ。「30周年の年には武道館行くぞー!」て言ってきたし、「その前に渋公やりたい!」って。口にした当初はそもそも渋公は空いてなかったんですけど……でも、幸運にも空きが出て、じゃあやろうって! 口に出していれば、現実が追い付いてくるものなんだなあ(笑)。 ――24年前とはやはりずいぶん意味合いが違う気がしますか?  24年前の、最初の渋公は、覚えてないって言ったら変だけど、夢みたいで、あっという間に終わっちゃった感じだったんですよ。でも、今回は一歩一歩自分たちで積み重ねてきて、ようやくたどり着けた渋公。人がお膳立てしてくれたものではないからこそ、やっぱり意味は大きいなあって思います。  ずっとPERSONZを見てきてくれた人たちはもちろん、昔聴いていたって人にも、「あ、PERSONZってまだやってるんだ」って思ってもらえたらうれしいです。 日々の音楽活動の積み重ねによって、口に出した夢を少しずつかなえてきたPERSONZ。渋公では、30年分の積み重ねと凄みが爆発するに違いない。 ●PERSONZ 【DREAMERS ONLY SPECIAL 2013渋谷公会堂20131026】 ▼会場 渋谷公会堂 ▼日にち 13年10月26日 土曜日 ▼開場時間 16時30分  開演時間 17時 ▼料金 前売:6300円(税込) 当日:6800円(税込) ※5才以下入場不可 6才以上有料 <プレイガイド> ・チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード:202-162) ・ローソンチケット 0570-084-003(Lコード:77009) ・インターネット予約 http://l-tike.com/ (パソコン・携帯) 店頭販売:ローソン・ミニストップ店内Loppiで直接購入いただけます。 ・イープラス http://eplus.jp (PC・携帯共通) <取材・文/牧野早菜生 撮影/菊竹 規>
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