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専用劇場は開店休業。再起を狙う素人アイドルプロデューサー

アイドルが割拠する今、「アイドルになりたい」という女のコの夢のハードルは下がり、同時に「アイドルを育ててみたい」という本懐を遂げるチャンスも増えている。本特集では、素人ながらアイドルのプロデュース業を始めた人々の紆余曲折と喜びを紹介。膨張し続けるアイドル業界。これを読めばキミもアイドルプロデューサーになれる!? ◆脱サラし専用劇場までオープンも現在は活動休止の状況 <阿佐ヶ谷家×石阪勝久氏(専業プロデューサー)>
阿佐ヶ谷家

今は劇場もまったく使われていない状況。「週6回公演で毎回お客さんが20人入れば回せる計算だったんですが……」

 アイドルプロデュースを本業にすべく脱サラし、さらには自身の生まれ育った東京・阿佐ヶ谷に専用劇場までオープン。 「40歳で起業するというのは前から決めていて、どうせやるなら大好きなアイドルで! 安くていいハコが空いていたので『専用劇場も!』となりまして……」  そう語る阿佐ヶ谷家プロデューサー・石阪勝久氏は15年超、アイドルヲタとして生きてきた。 「SPEEDのライブDVDで号泣したのをきっかけに、20代後半でヲタになりました。当時はアイドルのファンサイトが盛り上がり始めた時期。そこで出会った人たちと、ほかのアイドルのライブも見に行くようになったんです」  当時は仕事を終えて現場に直行。アイドルやプロデューサー、イベンターとも親交を深めた。AKB48は、2005年の公演開始2日目に初参戦。約2か月は週6日の公演に休まず通い続けたという。 「曲は高水準で女のコもかわいくて、ステージがエンタメとして完成されていることに感動したんです。そこで私の“楽しいライブ観”が確立。阿佐ヶ谷家の劇場もAKBを意識しているんです」 「彼女との同棲で5年ほど現場を離れた時期があった」が、その後、週末には知り合いのアイドルに声を掛け、イベントの主催を開始する。知人のアイドルイベントでスタッフとして経験を積み、昨年12月に芸能事務所を設立。1月にメンバーを募集、4月に活動を始め、専用劇場も同時オープンし、週6の公演がスタートした。 「雑誌やネットでメンバーを集い、7人のメンバーが決まりました。幸いにアイドルとして実績・人気のあるコと、雑誌のグラビア企画でグランプリを受賞したコがいたため、最初1週間の無料ライブは満員の40人が集まったんです。有料化後は半減しましたが、それでも当初の見込みを上回る数字で。オリジナルの楽曲や衣装、振り付けにも自信がありましたし、それらの制作も知人などに極力安く頼んで経費も抑えられていました」  そんな順風満帆の状況は、一番人気のメンバーが体調不良で休養して一変。負のスパイラルに入る。 「グループを引っ張る存在がいなくなり、集客もガクッと落ちたことでメンバーのやる気は激減。歩合制の物販で稼げていなかったコは、特に将来の不安も感じていたようです。さらに3人が脱退を希望しだし、活動継続は困難と判断。9月で一旦解散としたんです」  現在はサラリーマン時代の貯蓄で生活しつつ、メンバーを再募集し、活動再開を目指している。 「今後は研究生的な制度も設けて、メンバーの休養・脱退などにも備えられる体制にし、メンバーの負担も考え、最初はライブの回数を絞る予定です。劇場も使わない日は貸し出して活用したいですね」
阿佐ヶ谷家

Tシャツや旧メンバーのブロマイド、各カラーのサイリウム、タオルなど、グッズの在庫は、今も入り口の受付に残されている

【阿佐ヶ谷家情報】 現在はメンバーを再募集中の状況で、早ければ12月には活動再開予定。活動再開後も、メンバーの募集は随時続けていくとのこと。活動状況や応募方法についてはホームページをチェック! http://www.moco-pro.com ― 素人でも[アイドルプロデューサー]になれる!【4】 ―
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